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離婚できる?できない?

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

5つの離婚事由(離婚原因)

離婚の破綻主義って何?

離婚の破綻主義という言葉をご存じですか。
破綻主義とは、婚姻関係が破綻している状態であれば離婚を認めるという考え方です。
今回は、離婚の破綻主義について弁護士が詳しく説明します。

破綻主義(はたんしゅぎ)とは

離婚裁判において、どのような場合に離婚を認めるかについて、大きく分けて破綻主義(はたんしゅぎ)と有責主義(ゆうせきしゅぎ)という2つの考え方があります。

破綻主義とは、婚姻関係が破綻している状態であれば離婚を認めるという考え方で、破綻している状態を重視する考え方です。

一方、有責主義とは、夫婦どちらかに不貞行為や暴力といった離婚原因をつくった責任があることを重視し、責任(帰責事由)がある配偶者(有責配偶者)からの離婚請求は認めないという考え方です。

破綻主義はさらに、有責配偶者からの離婚請求であれば離婚を認めない「消極的破綻主義」と、婚姻関係が破綻していれば有責配偶者からの離婚請求であっても離婚を認める「積極的破綻主義」に分かれます。

かつては有責主義

破綻主義と有責主義の考え方は、日本では民法770条1項5号の離婚事由「婚姻を継続し難い重大な事由」の解釈をめぐって争われました。というのも、民法には、婚姻を継続し難い重大な事由、すなわち婚姻関係が破綻状態にあることしか要件として書かれておらず、帰責性のある配偶者からの離婚請求であっても離婚を認めるのか否かが法律の文言だけでは明らかでないためです。

かつて、最高裁判所は、有責配偶者からの離婚請求であれば離婚を認めないという有責主義の立場をとっていました。代表的な判例として最高裁昭和27年2月19日判決があります。夫が妻を差しおいて他に情婦を持ち、それがもとで妻との婚姻関係継続が困難になったケースで、夫が民法770条1項5号を根拠に離婚請求をしたのに対し、最高裁は、夫のわがままな請求を認めることは妻にとって踏んだり蹴ったりであるとして離婚を認めませんでした。

ちなみに、この判決はその独特の言い回しから「踏んだり蹴ったり判決」と呼ばれています。戦後の男女関係、夫婦関係、婚姻制度についての最高裁判所の考えが示されている大変興味深い判決です。

当時の最高裁判所は、「自分で結婚生活を破綻させておきながら、離婚を請求するなんて不道徳だ」、「社会正義に反している」という考え方を示したものといえます。この考え方は、現在でも多数の賛同を得られるのではないかと思います。

有責主義から破綻主義へ

しかしながら、人生いろいろ夫婦もいろいろで、有責配偶者からの離婚請求を一切認めないと、かえってバランスが取れないようなケースも出てきます。たとえば、別居状態が数十年に及び、夫婦仲は最悪で、愛情は完全に冷え切っていたとしても、有責配偶者であるとの一事をもって離婚請求を一切認めなくてよいのでしょうか。

裁判で離婚を争っている夫婦が円満に婚姻関係を継続できるとは思えませんし、離婚請求を棄却して戸籍上だけの夫婦という関係に縛り付けておくことにどれだけの意味があるのか、という意見が出てくるようになりました。戸籍上だけの夫婦であっても、法律上は婚姻費用の支払義務がありますし、死亡時の相続権も残ってしまうという問題もあります。

これらの意見が強くなるにつれて、最高裁判所も有責主義から破綻主義へ徐々に考え方を修正していきました。

まず、離婚を請求する側に帰責性はあるが、離婚を請求される側にも帰責性があるケースについて離婚を認めるかどうかが争われました。有責主義の立場からは離婚が認められない結論になるはずです。

しかし、最高裁昭和30年11月24日判決は、離婚を請求する側にもいくらかの落ち度があっても、離婚を請求される側により多大の落ち度があるときには離婚請求は認められる、と判断しました。

つまり、有責配偶者からの離婚請求であっても、夫婦双方の帰責度合いを比較した結果、離婚が認められる場合があるという判断をしたのです。最高裁判所は有責主義を採用せず、破綻主義の考え方を採用しているといえます。

その後、最高裁判所が破綻主義のなかでも積極的破綻主義の立場を示したとして注目されたのが、最高裁昭和62年9月2日判決です。

これは、別居期間が35年余の長期に及び、しかも有責配偶者が別居の際に当時有していた財産すべてを相手方配偶者に給付していたという事実関係のもとで、有責配偶者が離婚請求をしたものです。破綻主義のなかでも、消極的破綻主義の立場からは有責配偶者からの離婚請求であるために離婚が認められないのに対し、積極的破綻主義の立場からは離婚を認めることになります。

この点、最高裁判所は、「有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である。」との判断を示し、従来の判例を変更しました。男女関係、夫婦関係、婚姻制度に対する国民の考え方が時代とともに変化したことに伴い、最高裁判所の考え方も変化したといえるでしょう。

昭和62年判決のポイントは、有責配偶者からの離婚請求は認めない、という原則論は維持しているところです。その上で、①長期間の別居、②未成熟の子がいない、③相手方配偶者が苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がない(苛酷条項と言われています。)という一定の条件付きで例外的に離婚請求が認められることがある、としました。

婚姻関係が破綻していれば有責配偶者からの離婚請求であっても離婚を認める場合があることを示した点では積極的破綻主義の立場といえます。もっとも、婚姻関係が破綻していれば常に離婚を認めるわけではなく、相手方配偶者を保護するための条件をつけてバランスを取ったのです。

従来、裁判所は、有責配偶者からの離婚請求を一切認めないことで相手方配偶者を保護しようとしていました。しかし、相手方配偶者は、有責配偶者に対し、有責配偶者が婚姻関係を破綻させ精神的苦痛を被ったことについて慰謝料を請求することができます。また、夫婦が婚姻中に共同で築き上げた財産については財産分与によって分け合うことができます。この判決により、相手方配偶者の保護は財産分与や慰謝料によって図ることとし、離婚それ自体の可否は別個に検討する、という傾向が強まりました。

これからの破綻主義

昭和62年判決の①②③の事情は総合考慮されるものです。ですから、何年別居すれば離婚が認められる、というように画一的な線引きは難しいといえます。

たとえば、別居期間8年弱の夫婦において、有責配偶者が生活費(婚姻費用)を負担し財産関係の清算に誠意ある提案をしているといった事情があることを理由に離婚請求を認めた事例(最高裁平成2年11月8日判決)があります。

また、必ずしも①②③のすべてを満たしていなくても離婚請求が認められることはあり得ます。

たとえば、未成熟の子供がいる場合であっても、別居期間が14年弱の長期間に及び、未成熟の子供も高校を卒業する年齢に達していて、有責配偶者が別居期間中も毎月生活費を支払い続けてきたという事実関係のもとで、有責配偶者からの離婚請求を認容した事例(最高裁平成6年2月8日判決)もあります。

裁判所は、婚姻関係が破綻していれば有責配偶者からの離婚請求であっても離婚を認める場合がある、という意味においては積極的破綻主義といえます。もっとも、個別の事案で離婚を認めるか否かについては、その事案ごとに相手方配偶者を保護するためどこまでの条件を付けるべきかを判断しているといえます。

 

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