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離婚の手続

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

協議離婚

離婚合意書の効力と作成時に気を付けるべきポイント

 夫(妻)と離婚の合意を取り付けたけど、離婚の条件として何を取り決めておけばよいのか、書面にした方がよいのか、どう書くのかよくわからない…そのような方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
 離婚の合意ができたときに何を取り決めておくべきか、どんな書面を作成しておくべきか、どのようなポイントに気を付けて作成するべきかなどについて、弁護士の視点から解説します。

「離婚届」を出す前に決めておきたいこと

 ⑴ 離婚届の記載事項

 離婚は「離婚届」に必要事項を記載して役所に提出する(届出をする)ことによって成立します。
 「離婚届」に書かなければいけない必要事項は、ざっくりいうと、
  ① 夫婦それぞれの署名・押印
  ② 住所や本籍地などの情報
  ③ 子供の親権者をどちらに指定するか
  ④ 証人2名の署名押印
 の4つしかありません。
 そのため、双方の離婚の意思が固まっていて、証人となってもらう人を決め、子供の親権者を誰にするかをということさえ決めてしまえば、離婚届を作ることは比較的簡単にできてしまいます。

 ⑵ 後で揉めないために決めておくべきこと

 しかし、離婚するにあたっては、決めておかなければいけないことが他にもたくさんあります。
 ざっと挙げるだけでも、次の6つが考えられます。

ア 財産分与(夫婦共有財産の分け合い)
 マイホームや車・預金などがある場合には、どちらがどの財産をいくらずつ取得するかについて取り決めることになります。また、夫婦の一方又は双方が厚生年金や共済年金に加入している場合には、年金分割の方法についても話し合っておく必要があります。

イ 子供の養育費(未成年の子どもがいる場合)
 親権者・監護者とならなかった側の親は、未成年の子供が成人するまで、その収入に応じた金額の養育費を支払う義務を負うため、その金額や支払方法について取り決めておく必要があります。

ウ 子供との面会交流(未成年の子どもがいる場合)
 親権者・監護者とならなかった側の親は、離婚後も定期的に子供と面会することができるため(民法766条参照)、その頻度や面会の方法について取り決めておく必要があります。

エ 婚姻費用の分担(別居中の生活費)
 婚姻継続中・離婚前に別居している期間があり、夫婦双方の収入に一定の開きがある場合には、収入の少ない方の配偶者から他方配偶者に対して婚姻費用分担請求をする権利が認められているため、その金額や支払方法について決めておく必要があります。

オ 慰謝料
 離婚の原因に関して夫婦の一方に不倫・不貞行為や暴力・DV・モラハラなどの非がある場合には、慰謝料の支払いを求めることができます。そのため、そのような事情がある場合には、慰謝料の有無・金額や支払方法について協議する必要があります。

カ 戸籍・氏について
 離婚に伴って復氏するか否かや、子供の氏を変更するかどうかについては、夫婦が協議して決めることではありませんが、婚氏を使い続ける可能性がある方は、申請に3か月の期間制限などもあるので、これらの点についてもどうするかを考え、離婚届を出す前に決めておくとよいでしょう。
(離婚後の復氏・婚氏続称の手続や子供の氏の変更の手続については、離婚すると苗字や戸籍はどうなるの?の記事をご参照ください)

 これらの決め事は、離婚後にすることもできますが、できる限り離婚前に決めておくことをお勧めします。離婚の話し合いと共に決めた方が効率的で、離婚後に過去の話を蒸し返して揉めるストレスから逃れることができるからです。
 
 これらの事項は話し合い(協議)によって決めることもできますが、話し合いがまとまらなければ家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。
 調停を申し立てると、家庭裁判所で調停委員という第三者を交えての話し合いを行い、そこで合意に至らなければ審判という形で裁判所が養育費・面会交流の有無・内容や婚姻費用の分担を決めたり、取り決めごとの種類によっては訴訟を提起する必要が生じることもあります。

  
離婚時の取り決めは「合意書」の形にしよう

 ⑴ 「合意書」を作成する目的

 上記の事項について話し合いで条件が決まったら、「離婚届」とは別に、夫婦間で決めた離婚条件を「合意書」の形に残しておくことをお勧めします。

 もちろん、口頭の約束であっても合意は有効に成立するのですが、口約束だけで終わってしまうと合意したことの証拠が何も残らず、後から内容を覆され、トラブルを生じる可能性が残ってしまうためです。

 また、相手に何か支払いをさせる場合には、書面を作らせることにより、相手が確かに義務を負ったという意識を明確に持ってもらうきっかけともなります。合意書の作成は後々の紛争を防ぐことが主たる目的といえますが、このように自発的な義務の履行を促す効果も期待できます。
 

 ⑵ 「合意書」の書き方のポイント

 合意書を作成するにあたっては、次の点を意識すると良いでしょう。

① 2人が合意して作ったということを確実に示す
 具体的には、夫婦双方の署名・押印を確実に行うということです。
署名押印の形式に「こうしなければ無効である」といった決まりはありません。
 もっとも、あとから「自分はこんなものに署名押印していない」と言われないために、署名は自書してもらい、押印は実印でしてもらうと万全でしょう。

② 合意した内容を明確に示す
 具体的な条項を作るときも、「このように書かなければ無効である」といったような決まりは基本的にありません。
 もっとも、書いてある内容があいまいでどのようにも読めてしまうようでは、後から「これはこういう意味に読める」というように、相手が自分の有利な読み方を主張してきて、揉めるおそれがあります。
 そのため、条項を作る際には、「このようにしか読みようがない」という程度まで、一義的に明確な文章となるよう心掛けましょう。
 たとえば、お金の支払い義務を定める場合には、「誰が・誰に対し・いつ・いくらを・どのように支払うのか」ということを明確に記載することが重要です。
 また、よく、「○○太郎(甲)と○○花子(乙)は次のとおり合意する」というように、主語を甲・乙などと置き換える方法が採られますが、これも、条項の主語を明確にわかりやすく示すための工夫の一つといえるでしょう。

③ 合意書は同じものを2枚作って1通ずつ保管する
 作った合意書を相手に勝手に破棄されてしまわないように、合意書は同じものを2通作ってそれぞれが持ち帰りましょう。
 合意書の冒頭に「本合意書2通を作成し、甲、乙各1通保有することとする。」などの文章を添えれば、同じものを2通作成したことが後から読んでわかるので、このような文章を添えるのもよいでしょう。

「公正証書」を作成すればより確実に

 
自分たちで合意書を作る方法の他に、公証役場に行って「公正証書」を作成する方法もあります。

 ⑴ 公正証書を作るメリット・デメリット

 公正証書を作ることのメリットは、次の2点にあります。

①合意内容が明確に記載されているか等形式面のチェックを受けられる
②相手が義務を履行しない場合、公正証書を裁判所にもっていく(強制執行の申し立てを行う)ことにより、相手から強制的に金銭を取り立てることができる(これを「執行力」があるといいます)
 

 公正証書を作ることのデメリットは、強いて挙げるとすれば、費用と多少の手間がかかるという点です(次に説明しますが、多くの方にとってそこまで重い負担とはならないはずです)。
 ちなみに、公証人は公平な立場で形式面のチェックをするだけで、内容の妥当性などのアドバイスをしてくれるわけではないので、取り決めの内容に不安があるときは、弁護士に相談することをお勧めします。
 

 ⑵ 公正証書作成の流れ

 公正証書を作る手順はおおむね以下のとおりです。
 ① 最寄りの公証役場に電話をして予約を入れる
 ② 夫婦で合意した離婚条件を紙に箇条書きして持参・提出する
 ③ 後日公証役場から公正証書の案が送られてくる
 ④ 内容を確認し、修正があれば連絡して修正してもらう
 ⑤ 修正が完了次第、身分証・実印・印鑑証明を持参して公証役場に赴く
 ⑥ 内容の読み合わせを行い、公正証書に署名押印して完成
 このように、離婚の合意内容がお互いに決まってしまえば、あとは公証役場との上記のやり取りで、比較的簡単に公正証書を作成することができます。

 ⑶ 作成費用

 公正証書の作成手数料は、目的とする財産の価額に応じて、次のとおり定められています。
・100万円以下 5000円
・100万円を超え200万円以下 7000円
・200万円を超え500万円以下 11000円
・500万円を超え1000万円以下 17000円
・1000万円を超え3000万円以下 23000円
・3000万円を超え5000万円以下 29000円
・5000万円を超え1億円以下 43000円
 
 一点注意しておきたいのは、公正証書に複数の法律行為が記載される場合には、法律行為ごとに手数料を計算するということです。
 たとえば、財産分与として500万、慰謝料として100万円、養育費として月々5万を5年(=300万円)と定めた場合には、合計900万だから手数料は1万7000円となる、というわけではないということです。この場合、財産分与につき1万1000円、慰謝料につき5000円、養育費につき1万1000円を合計した1万7000円が手数料の額となります。
 詳しくは、日本公証人連合会のHP(http://www.koshonin.gr.jp/hi.html)に記載されているので、迷った時はこちらを参照してみてください。

まとめ

 いかがだったでしょうか。離婚の際に取り決めておくべきことや、作成しておくべき書面について、大まかにイメージができたことと思います。

 具体的にどのような内容で取り決めをすればよいのかについては、あなたの置かれている具体的な状況に応じ、種々の事情を総合的に考慮しなければ判断が難しいところもあります。
  
 離婚するにあたっての取り決めや合意書の内容で迷いが生じたら、一度、あなたの味方としてのアドバイスができる弁護士に相談しておくのが良いでしょう。

 未来創造弁護士法人では、法律の専門家である弁護士が、あなたの置かれている状況について具体的にお話を伺いながら、あなたの置かれている状況に最も適合する方針について考え、回答・アドバイスを差し上げています。
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