未来創造弁護士法人

離婚相談

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離婚とお金

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

年金分割

離婚しても老後の生活は大丈夫?

自ら望んで離婚をした人も、不本意ながら離婚に応じた人も、離婚後の生活を具体的に想像できるでしょうか?話し合いが決裂、離婚調停も不成立、裁判までしてようやく離婚。ようやく離婚した後にはバラ色の生活が待っているのか・・・。
ここでは、離婚後も単身で老後を迎える場合の生活をみてみましょう。

 老後の主な収入は年金ですが・・・

 まず、老後の定義をしましょう。一般的に、60歳で会社を定年退職し、65歳までは再雇用などで働き、年金の受給年齢である65歳から年金生活に入るという場合が多いと思いますので、ここでは、65歳以降とします。
 65歳で完全にリタイアしたとすると、収入は年金(国民年金と厚生年金・共済年金)に限られることになります(公的年金制度は、国民年金(基礎年金)、厚生年金・共済年金の2階建てになっており、さらに、上積み部分の企業年金・国民年金基金・厚生年金基金を合わせると3階建てになっておりますが、ここでは、3階部分の年金基金や、養老保険、家賃収入などはないものとします。)。統計によると、65歳以上の年金受給額は、国民年金(基礎年金)が月額54,544円、厚生年金・共済年金が月額145,596円です(厚生労働省年金局「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)ですので、会社員をしていた夫と、専業主婦をしていた妻の2人の家庭(2人とも65歳以上。)では、老後の収入は、妻の国民年金を加えて月額255,000円ほどになります。
 他方、支出、つまり生活費は、65歳以上の2人以上世帯では、225,825円です(総務省統計局「家計調査年報(家計収支編) 平成26年 家計の概況」)。なお、この中にはリフォームやローンの支払、海外旅行などの大きな支出は含まれておりません。  このように、年金生活者の夫婦2人の世帯は、大きな支出があることも考えると、決して悠々自適とは言えないようです。特に、自営業者の場合、2階部分の厚生年金・共済年金がないため、年金基金等に加入していないと相当苦しくなることが予想されます。

厳しい女性単身者の老後

 夫婦2人の世帯の老後が悠々自適でないことは分かりましたが、では、離婚した単身世帯の収入、支出はどうでしょうか。
 上記の65歳以上の夫婦の国民年金受給額(月額54,544円)は、男女の平均値ですが、これを男女別にみてみると、男性は、平均以上の月額6~7万円を受給している層が多く、男性全体の60.1%を占めています。他方、女性は、3~4万円(16.7%)、4~5万円(18.5%)、5~6万円(22.5%)、6~7万円(27.6%)とばらけています。また、厚生年金受給額(共済年金受給額)については、男性は、10~15万円(24%)、15~20万円(33.6%)、20~25万円(24.6%)で、平均額は166,418円です。他方、女性は、5~10万円(46.1%)、10~15万円(38.1%)と、平均額を下回る水準に集中しています(厚生労働省年金局「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。
 支出は、60歳以上の単身者世帯では月額150,769円となっています(総務省統計局「家計調査年報(家計収支編) 平成26年 家計の概況」)。統計上は、男女の区別はされておりませんが、美容院や化粧代などを考えると、女性の方が若干高くなりそうです。また、特に離婚した女性の場合、離婚した後にどのお墓に入るかは気になるとことですよね。
 このように、このデータからすると、男性の場合は単身世帯でも何とか年金収入だけで生活ができそうですが、女性の場合には苦しい生活を強いられることになります。

離婚時年金分割の勘違い

 上記のとおり、離婚により単身となった女性の老後は苦しくなりそうですが、これに対し、「年金分割制度により、元夫の年金の半分がもらえるようになるので大丈夫なはずでは?」というご意見があるかもしれません。
 ここで、年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金(共済年金)記録を分割する制度です。一般的に、男性(夫)の方が女性(妻)よりも収入が多いため(専業主婦で無収入の場合もあります。)、男性の方が多くの年金保険料を支払っていることになります。その結果、男性の方が女性に比べて多くの年金を受領することになりますが、離婚をした場合、年金分割制度がないと不公平が生じます。つまり、専業主婦だったとしても、婚姻期間中は夫が収める年金保険料も含め、夫婦の財産形成に貢献していたにも関わらず、離婚したことによって元夫が支払った年金保険料部分について元妻が一切年金をもらえないことになってしまいます。そこで、公平のために、年金分割制度が導入されたのです。この年金分割制度は、①「合意分割制度」と②「3号分割制度」の2つの制度の総称です。
 まず、①「合意分割制度」は、平成19年4月1日から実施されているもので、双方の合意により分割割合を決め、婚姻期間中の年金保険の支払い記録を分割する制度です(支払い記録の多い方から、少ない方へ記録を付け替えるというイメージです。)。合意ができなければ、最終的には審判という裁判所の手続により、按分割合が決められることになります(別居期間などはあまり考慮されず、2分の1となる場合が多いようです。)。
 他方、②「3号分割制度」は、平成20年5月1日から実施されているもので、双方の合意がなくても、平成20年4月1日以降離婚までの間で、分割請求をする人が国民年金の第3号被保険者(専業主婦)であった期間の年金保険の支払い記録を2分の1ずつに分割する制度です。なお、年金分割制度により分割されるのは、2階部分の厚生年金や共済年金のみです。
 これらの年金分割制度が導入されたことにより、熟年離婚が増えました。夫との結婚生活に耐えてきた妻が、「夫の年金を半分もらえる」と勘違いし、年金分割制度か実施されるのを待って離婚をしたからです。しかし、年金分割は、あくまでも婚姻期間中の年金記録を分割するものであって、夫が受給する年金の半分を分割するわけではありませんから、夫から分割される年金を当てにして離婚後の生活を組み立てている人は注意が必要です。年金分割をした後に受給できる年金額は、保険料の支払期間(加入年数)などの要素によって決まるものなので、計算はそう単純ではありません。ですから、年金をもらえるようになってから、「こんなはずではなかった。」と思った方も多くいらっしゃったでしょう。年金分割をした場合にもらえる分割年金額がいくらになるかについては、年金事務所等から「年金分割のための情報通知書」を取り寄せることにより知ることができます(年金分割手続はこちらの記事をご覧下さい。)。
 よって、年金分割制度を利用したとしても、離婚した女性の老後は苦しくなることが予想されます。しかし、男性も安心はできません。年金分割により受給金額が減ることは確かなのですから。

熟年離婚はするべきか

 では、熟年離婚は避けるべきなのでしょうか。これまでのお話は、公的年金収入のみで生活していくことを前提としていましたが、実際には、退職金が支給されたり、それまでに蓄えた預金や貯金、持ち家があったり、養老保険に入っていたりと、ある程度の蓄えがあるはずです。離婚となれば、結婚から婚姻関係が破綻するまでの間に蓄えた資産については、名義に関係なく財産分与で原則として半分に分けることになります。ですから、この財産分与によって得られる財産も加えて老後の生活を考えてみる必要があります。また、子供からの援助が期待できるかもしれません。
 離婚をするか否かの判断基準はお金だけではありませんが、大きな影響を与えることは確かです。もし、離婚したい気持ちと老後の生活を天秤にかけ、生活保護をもらってでも離婚したいというのであれば離婚するべきですし、老後の生活に傾くのであれば、熟年離婚は避けるべきでしょう。そうは言っても人生を左右する重大な問題ですので、専門家である弁護士に相談してみると良いでしょう。

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