未来創造弁護士法人

離婚相談

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離婚と子ども

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

養育費

離婚した後の子供の大学費用はどうなるの?

離婚したことにより子供に迷惑をかけたくない、子供にも大学に行かせてあげたい、というのはごく自然な考えですが、その費用を払ってもらえるのでしょうか。ここでは、離婚により母親が親権を取得する(した)事例を前提としてお話します。

大学費用はいくらかかるか?

 

 大学費用といっても範囲が不明確なので、ここでは、入学費用(受験費用、入学金・寄付金等の学校納付金、入学しなかった大学への納付金)と在学費用(授業料、通学費、教材費等の学校教育費と参考書購入費等の家庭教育費)の合計とします。よって、食費などの生活費や小遣い、娯楽費は含まれません。
 日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(平成28年2月23日発表)」によると、入学費用は、国公立大学では81.9万円、私立理系では106.0万円、私立文系では106.7万円となっています。また、在学費用(1年間)は、国公立大学では93.9万円、私立理系では178.0万円、私立文系では142.2万円となっています。
上記からすると、浪人せずに4年制の大学に入学し、留年せずに卒業した場合、国公立大学では合計457万5000円、私立理系では818万円、私立文系では675万5000円の費用がかかることになります。そして、別途、食費などの生活費が必要となります。実家を出て一人暮らしをする場合は、さらに家賃なども必要になります。

離婚の際に、大学費用を相手方(元夫)の負担にできるか?

(1) 協議や調停で合意ができれば問題はない
 お互いが合意できるのであれば、何らの問題もありません。大学費用についても合意しておくことができます。一般には、大学費用を除いた養育費の支払期限を、大学卒業まで(大学に行かなかった場合には20歳まで)とした上で、入学金や授業料については、(現在の)双方の収入によって負担割合を決めておいたり、折半して負担することにしたりという場合が多いです。
(2) 判決の場合はケースバイケース
 一般的に、子供が成人したら、親の扶養義務はなくなりますので、裁判所が養育費の支払いを命じるのは、原則として子供が20歳になるまでです。養育費算定表というものが裁判実務上も使われておりますが、この算定表は、大学進学までは想定していません(高校についても、公立の高校卒業を前提としています)。よって、特別の事情がなければ、離婚裁判の際に、元夫が大学費用や20歳を過ぎて大学卒業までの養育費の支払いを命じられることはありません。
 そうすると、特別の事情とは何か、ということになりますが、端的に申し上げると、大学進学の蓋然性(現実味)がどれだけあるか、ということです。つまり、離婚判決のときに、既に夫婦の合意によって子供が大学に進学しているとか、夫の合意はないまでも、両親ともに大学卒というような事情がある場合には、夫に大学費用や大学卒業までの養育費の支払いが命じられる可能性が高くなります。既に大学に通っていて現実かしている費用の負担ですから、公平の観点から、両親で分担すべきという判断になりやすいのです。他方、離婚判決の当時、子供がまだ幼く、大学進学までに相当期間があるような場合には、大学進学の蓋然性は低いので、夫に大学費用や大学卒業までの養育費の支払いが命じられる可能性は限りなく低くなります(私立の一貫校で、エスカレーター式に大学まで行けるというような場合で、それを前提に入学させたというような事情があれば別ですが)。

離婚後に、相手方にも負担してもらえるようにすることはできるか?

 協議や調停離婚の際に、大学費用には取り決めをせず、養育費の支払いを、単に「20歳まで」としていた場合や、離婚を命じる判決において、養育費の支払いが「20歳まで」となっていて、大学費用には言及されていなかった場合でも、後日、子供が大学に進学したときには元夫に大学費用を負担してもらうことはできるでしょうか。
前提として、養育費は、一度決まったとしても、「事情の変更」があれば変更してもらうことができます(離婚の公正証書があろうが、調停調書があろうが、判決があろうが同じです)。「事情の変更」というのは、例えば、養育費の支払い義務者(養育費を支払う側)が失業したとか、権利者(養育費を受け取る側)が就職したとか、子供が重い病に冒されて、多額の治療費が必要になったというような、養育費を決めた当時には予想できなかった(存在しなかった)事情の変更をいいます。当事者間で変更についての合意ができなくても、家庭裁判所に調停や審判の申し立てをすることにより、変更してもらうことができます。
 そうすると、大学に進学したということが、「事情の変更」の変更にあたるか否かが問題となりますが、結論から申し上げると「事情の変更」には当たらないと思われます。なぜなら、大学に進学することは、離婚のときにどれだけ現実味があるかどうかは別として、離婚のとき=養育費を決めた当時に想定できることだからです。すなわち、想定できたのに取り決めをしなかった=負担しないことになった、ということになるのです。
 よって、離婚後に大学進学が決まったとしても、元夫との間で新たに大学費用の負担について合意ができない限り、元夫に大学費用や卒業までの養育費を負担してもらうことは困難でしょう。

子供の将来をより良いものにするために

 これまでに述べたとおり、離婚の際に、子供の大学費用の負担について取り決めなどができていれば別ですが、離婚後に大学進学が決まったからといって、元夫に大学費用の負担を請求するのは難しそうです。また、借りに、大学費用の負担について取り決めなどができていたとしても、いざ大学進学のときになって元夫が負担しないことも考えられます。もちろん、強制執行などの方法はありますが、支払いを受けるには費用と時間を要します。
 では、子供の大学進学を実現するために、どのようなことをすべきでしょうか。
(1) 親同士の良好な関係を築く
 離婚をすれば夫婦ではなくなりますが、親子関係はなくなりません。親権がなくても親は親です。元妻が親権者になったとしても、そのことによって元夫よりも勝っているなどと勘違いしてはいけませんし、元夫から養育費が支払われることに対し、感謝の念を忘れてはいけません。
 元夫婦が、子供の親同士として良好な関係を築ければ、元夫が決められた養育費の支払いを滞らせたりはしないでしょうし、大学に行かせたいと考える元妻の意見に耳を傾けてくれるはずです。
(2) 面会交流を柔軟に実施する
 面会交流の取り決めがあるから仕方なくやるなどとは考えず、子供の権利でもあり、元夫の権利であると心得て、柔軟に実施するよう努めましょう。元夫が子供の日々の成長を実感したり、子供の夢や進路を知ることができれば、自然と子供のためにできる限りのことをしてあげようと考えるはずです。多くの父親が、離婚の際に、大学費用の負担についての合意をしたがらない理由の一つは、将来、子供との面会交流が約束どおり実施されるか不安だということがあります。子供に会わせてもらえないのに、お金だけ出すのは悲しすぎますよね。
(3) 進路の相談をする
 親権があるからといって全てを自分で決めるのではなく、子供の進路について元夫に相談しましょう。元夫は、自分の生活レベルを多少下げてでも子供に大学を卒業してもらいたいと思っているはずです。しかし、多くの父親が、離婚の際に、大学費用の負担についての合意をしたがらない理由の一つは、母親(元妻)が勝手に決めた進路(私立学校や大学)の高額な費用を負担させられるのではないか、という不安があることにあります。「医学部に進学したので学費を払ってね」、などと言われたら卒倒しますよね。
(4) 奨学金の利用を検討する
 最終的には、奨学金の利用を検討しなければなりません。両親がそろっていようと離婚していようと、経済的に余裕がないのであれば、子供の自由にさせてあげるわけにはいきません。どうしても大学に進学したいというのであれば、子供が自らの力で奨学金を受給するなどの努力をする必要があります。
 
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