未来創造弁護士法人

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離婚と子ども

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

養育費

離婚の際の養育費の取り決めを公正証書にすべき理由

養育費の取り決めは公正証書にしておくべきだとよく言われますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

公正証書とは

 公正証書とは、公証役場において、公証人(公証人法に規定されている公務員で、ほとんどが元裁判官や元検事)が作成する公文書(公文書=公務員が職務条作成する文書ですが、私人間の契約条件を定めた契約書です)です。離婚の場合、裁判離婚であれば判決や和解調書、調停離婚であれば調停調書が家庭裁判所で作成されますので、公正証書(離婚の場合の公正証書は、「離婚給付等契約公正証書」という名称です)が作られるのは、協議離婚の場合です。        
 もっとも、協議離婚の場合でも、当事者間で離婚協議書を作成したり、または何も作成せず口約束で済ませる場合、さらには、何の約束もせず単に離婚届を提出するという場合も多いといえます。

離婚給付等契約公正証書に記載される養育費関連の事項

 養育費に関する事項として、離婚給付等契約公正証書に記載される内容は、主に次の6個です。
(1)月々の養育費の支払額
 子供が複数いる場合には1人いくらか明示するとともに、年齢や修学状況に応じて金額を変える場合には、その金額または金額の決め方などを記載します。
(2)養育費の開始・終了
 いつから、いつまで支払うのかを記載します。開始の時期については、今月からとか来月からという場合が多く、そんなに問題にはなりません。他方、終了の時期については、20歳までを基本としつつ、大学に進学した場合は卒業する22歳の3月末までにすることが多いです。
(3)毎月の支払日
 養育費を支払う親(支払い義務者)が給料を受け取る時期に応じて決めることが多いです。一般的に、毎月25日が給料の受給日なので、「毎月末日までに」支払うとしています。
(4)支払方法
 通常は銀行振り込みです。ただし、分かれた配偶者には支払いたくないとして、子供名義の口座を作らせ、そこに振り込むようにするという支払い義務者もたまに見かけます。
(5)取り決め後に事情が変更した場合の協議
 子供が大きな病気や怪我をして多額の医療費が必要になったとか、大学などに入学して、入学金など一度に多額の出費が必要になったというような場合の負担について定めます。「2分の1ずつ負担する」、「双方の収入に応じて案分する」、「(そのときに)誠実に協議する」と定めることが多いです。
(6)強制執行受諾文言
 判決や審判、調停調書と同様に、公正証書に基づいて、直ちに(裁判を経ることなく)強制執行することができるようにするための文言(条項)です。この文言は、金銭の支払いを目的とする請求権(債権)で、かつ、公正証書上に表示された一義的に明らかな金額(「一定の金額」)を対象とする必要があります。よく、「公正証書だと強制執行ができる」と言われますが、公正証書であっても、この強制執行受諾文言が入っていなければ直ちに強制執行することはできませんし、例えこの条項が入っていたとしても、強制執行したいと意図した条項の内容(例えば、面会交流は金銭の支払いを目的とする請求権ではないので公正証書では強制執行ができません)や書き方(例えば、「入学金の半分」では、公正証書上金額が明らかではないので強制執行できません)によっては強制執行ができないこともありますので注意が必要です。

公正証書にすることのメリット

 養育費の支払い約束を公正証書にしておくことの最大のメリットは、強制執行認諾条項をいれることにより、不払いをしないよう心理的に圧迫を加えることができるとともに、いざ不払いとなった場合には、裁判を経ることなく強制執行ができるということです。このように、民事執行法の定める債務名義(強制執行の根拠となるもの)としてこれにより直ちに強制執行できる効力を有する公正証書のことを、執行証書といいます。
 多少の公証人手数料(養育費や財産分与、慰謝料といった給付の金額や使用する紙の枚数によって金額が変わりますが、例えば、月々の養育費8万円の給付に関連する条項のみを入れるような場合には、正本の送達をしてもらっても2万円弱の費用で済みます)が掛かりますが、いざ不払いが発生したときに裁判を起こさなければならないという手間を考えれば、作成手数料を支払ってでも依頼した方が遙かに時間と費用の節約になります。養育費の合意はあるものの公正証書にしていないという場合、親権者である親が、養育費を支払わない親を相手として養育費の支払いを請求する裁判を起こし、裁判所に養育費の支払義務があることと、その不払いがあることを認めてもらう必要があります。その上で、強制執行をするという流れになるので、時間と費用がかかるのです。

公正証書の作成手続、作成時の必要書類、持ち物など

 公正証書の作成にあたって、当事者が公証役場に連絡をして、アポイントをとって公証役場に赴いて作成してもらうという方法もあります。しかし、この場合、協議書案(契約内容)の作成までに相当時間を要することが予想されます。つまり、離婚条件がまとまらないということです。そこで、協議離婚の場合であっても、弁護士に依頼をすることをお勧めします。弁護士に依頼をした場合、次のような流れになります。
①弁護士が代理人として双方の意向を調整し、協議書の原案を作成
②公証役場の予約をした上で、事前に必要な情報や協議書案を公証役場に提供する
③公証人から公証人作成の協議書案と費用の見積もりをもらう
④当日、当事者双方の代理人弁護士と依頼者が公証役場に赴き、調印を行う
 作成の当日に必要な書類や持ち物は、公証人に支払う手数料(通常は当事者で折半します)、本人確認書類(免許証など)、戸籍謄本、印です。その他、不動産の財産分与がある場合には全部事項証明書、厚生年金の年金分割(合意分割)をする場合には、年金分割のための情報通知書(年金事務所で取得)が必要となります。
 以上の手続には、弁護士が立ち会うものの、公正証書に署名押印をするのは当事者(利用者の夫婦)であって、弁護士が代理人として署名押印するわけではありません。当事者も公証役場に赴くのが原則ですが、万が一、赴くことができない事情がある場合には、別途実印を押した委任状と印鑑証明書を提出することにより、弁護士を代理人として署名、押印してもらうこともできます。

実際に強制執行する場合

 公正証書によって強制執行するためには、まず、公証人から、公正証書に執行文の付与を受ける必要があります。これは、公正証書に執行力があることを確認してもらう作業です。
 さらに、公正証書を相手方に送達してもらう必要があります。これは、公正証書を相手方に届ける作業です。公正証書の作成時に、当事者それぞれが謄本を持ち帰っているので、再度送りつけなくてもよいと思われるかもしれませんが、謄本を受け取らない場合もあるので、債務者(支払い義務者)に内容を確認させる必要があるのです。なお、いざ強制執行しようという段階になってから送達しようとしても、相手方の住所が分からなくなっていたり、相手方が受け取らなかったりするので、公正証書の作成時にその場で送達(交付送達)してもらっておくことを強くお勧めします。
 送達が完了したら、送達証明をもらい、執行文を付けた公正証書に添えて裁判所に強制執行の申し立てをします。

未来創造弁護士法人では、離婚相談を多く手掛ける弁護士が、あなたの悩みやあなたの置かれている状況について具体的にお話を伺い、あなたの状況に最も適合する方針について共に考え、専門家として回答・アドバイスを差し上げています。法律相談予約はお電話または予約フォームから受け付けております。

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