未来創造弁護士法人

離婚相談

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離婚と子ども

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

養育費

離婚の際に取り決めた養育費は再婚によって影響を受ける?

離婚の際に養育費を決めたものの、支払義務者(養育費を払っている側)が再婚した、権利者(養育費をもらっている側)が再婚したといった事情の変更が生じた場合、養育費の取り決めに影響があるのでしょうか。

養育費の減額請求ができる

 養育費は、「扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して」決められる(民法879条)ものなので、考慮した「一切の事情」に変更があった場合には、再度決め直すことができます。これは、当事者間の協議(契約)で養育費を決めた場合(公正証書を作成している場合も含む)だけでなく、離婚調停や審判、離婚の裁判の判決によって決められた場合も同様です。民法880条にも、「扶養すべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情の変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。」との規定があります。
 よって、再婚により、扶養義務関係に変更が生じたことは、「一切の事情」として考慮されることから、養育費の減額請求ができるのです。
 もっとも、一方的に減額をすることはできませんので、権利者と協議をして養育費の額を決め直すか、もしくは、協議ができない場合は家庭裁判所に養育費の減額調停を申し立て、それでも決まらない場合は審判で決めてもらうことになります。養育費の額が判決や審判書、調停調書(以上は家庭裁判所)、公正証書(公証役場)で定められている場合、上記の手続を経ることなく一方的に養育費の額を減額すると、強制執行されることがありますので注意が必要です(公正証書のメリットは、執行証書として、民事執行法の定める債務名義(強制執行の根拠となるもの)となってこれにより直ちに強制執行できる効力を有するところにあります)。
 以下、具体的な場面ごとに、養育費の簡易な計算方法をお伝えします。

義務者が再婚した場合

 当初の養育費を決めた当時より、義務者の収入が減っている場合には、その事情も考慮して、つまり、減額の方向で考慮して養育費が決め直されることができますが、収入の減少はなくても、義務者が再婚することによって生活費の負担が増えた場合にも減額することができるでしょうか。

(1) 再婚相手に収入がない場合
 例えば、養育費を支払っていた父親(元の夫)が再婚したとします。この場合、父親には、再婚相手(配偶者)との間で新たに生活保持義務が発生(夫婦間ではお互いに扶養義務があります)しますが、だからといって前妻との間の子に対する生活保持義務がなくなるわけではありませんので、養育費の支払い義務は終了しません。ただし、父親は、限られた(これまでと変わらない)収入しか得ていないのに生活保持義務を負う対象が増えるわけですから、前妻との間の子に対する養育費の減額請求をすることができます(話し合いや家庭裁判所の調停で決まらない場合には、審判の手続で決めてもらうことになります)。
 具体例をあげると、義務者の年収(給与)が800万円、権利者の年収(給与)が200万円、10歳の子供が1人という条件の下で、義務者が、算定表(0~14歳の子1人)に基づいて、月額7万円の養育費を支払っていたという場合において、義務者が再婚したとします。統計によると、義務者と同居する妻の生活費指数(成人の必要とする生活費を100とした場合の生活費の割合)は55であるとされます(生活費指数100の大人が同居しても、生活費の多くは重なるので、200にはなりませんよね)。55は、0歳から14歳までの子供と同じですので、0歳から14歳までの子供が2人いる状況と同様になります。算定表(0~14歳子2人)を見ると、養育費の額は、子供2人で10万円なので、妻の分が5万円、子供の分が5万円ということになります。
(2) 再婚相手に収入があるものの僅かである場合
 再婚相手に僅かながら収入がある場合、この収入を義務者の収入と合算した上で、上記と同様の計算をします。例えば、再婚相手の収入が60万円ある場合には、義務者の年収を860万円として算定表(0~14歳子2人)に当てはめると、子供2人で11万円なので、妻の分が5万5000円、子供の分が5万5000円ということになります。
(3) 再婚相手に相当の収入がある場合
 再婚相手にそれなりの収入がある場合には、再婚相手の生活費はその収入で賄うと考え(つまり、養育費の算定に当たっては、再婚相手の存在を考慮しない)、算定表(0~14歳の子1人)に基づいて養育費を算定することになります。この場合、養育費の減額は認められないという結果になります。
(4) 再婚相手との間に子供が生まれた場合
 再婚相手との間に子供が生まれた場合も、基本的には上記(1)~(3)同様に考えます。すなわち、再婚相手に収入がない場合、または収入があっても僅かな場合には、算定表(0~14歳の子3人)に基づいて、再婚相手に相当の収入がある場合には、算定表(0~14歳の子2人)に基づいてそれぞれ養育費を算定することになります。

権利者が再婚した場合

 当初の養育費を決めた当時より、権利者の収入が増えている場合には、その事情も考慮して、つまり、減額の方向で考慮して養育費が決め直されることができますが、権利者自身の収入の増加はなくても、権利者が再婚することによって世帯としての収入が増えた場合にも減額することができるでしょうか。

(1) 子供が再婚相手と養子縁組をしない場合
 例えば、権利者である親権者(母親)が婚姻(再婚)したとします。この場合でも、単に母親が再婚しただけでは、子供の地位に変化はないため、養育費にも影響はありません。
(2) 子供が再婚相手と養子縁組をした場合
 子供が母親の再婚相手と養子縁組をした場合(再婚相手からすると、連れ子と養子縁組をした場合)、子供と養親との間でも親子関係が生じますので、少々複雑です。
 まず、実の父と養親との間では、養子制度の趣旨から、養親の扶養義務が優先するとされています。よって、母親の再婚相手である養親が高収入を得ている場合など、経済力があるときには、実の父の養育費の支払義務がなくなる可能性もあります。
 他方、養親の収入では不十分で、実の父も負担するとなった場合、実の父母間での扶養義務の順位が問題となりますが、同順位とされています。よって、実の父と母が、その収入に応じて養育費を分担することになります。
 具体例をあげると、実の父の年収(給与)が800万円、母の年収(給与)が200万円、10歳の子供が1人という条件の下で、義務者が、算定表(0~14歳の子1人)に基づいて、月額7万円の養育費を支払っていたという場合において、権利者が再婚したとします。再婚相手の年収が600万円だとすると、算定表(0~14歳子1人)を前提に、横軸に再婚相手(養親)の年収600万円を、縦軸に実の父の年収800万円に母の年収200万円を足した金額を当てはめると、6万円が養育費の金額となります。この6万円を、実の父の年収と母の年収の金額に応じて按分すると、実の父4万8000円、1万2000円となるので、実の父の養育費の額は4万8000円に減額されることになります。
なお、権利者が再婚した場合、権利者から、面会交流を減らすよう求められる場合があります。面会交流についても、当事者間の協議や調停、審判で決められることになります。

払い過ぎてしまった養育費の差額を返還してもらえるか

 既に述べたとおり、再婚などの事情の変更により、本来であればもっと以前に減額されるべきであったのに、減額されないまま支払われていた差額について、相手方に返還を求めることはできるでしょうか。
 結論から申し上げると、返還を求めることはできないでしょう。なぜなら、一度決まった養育費は、事情の変更によって自動的に減額(増額)されるわけではなく、新たに決め直すことによって減額(増額)されるからです。ただし、減額をするという判断(審判)は、少なくとも減額の請求をしたときには遡って減額されるので、その限りでは差額の返還を求めることができます。

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