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離婚の手続

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

協議離婚

離婚協議を口約束で終わらせるとどうなる?―離婚協議時の約束の守らせ方

 離婚協議で取り決めるべきことは沢山ありますが、これらを全て口約束で成立させることも法律上は可能です。
 しかし、離婚協議を口約束だけで終わらせることには様々なリスクがあるため、離婚協議が整った場合には、離婚協議書を作成しておくことをお勧めします。
 以下では、離婚協議を口約束で終わらせた場合のリスク、離婚協議書の作り方、離婚公正証書を作ることのメリットとデメリットについて解説し、離婚協議時に成立した約束の守らせ方について説明します。

離婚協議を口約束で終わらせた場合のリスク

①離婚協議の証拠が残らず、強制執行ができない

 離婚した相手が離婚協議の約束に反して支払い等をしなかった場合、最終的には訴訟を提起し、判決を得て、判決に基づく「強制執行」という手続によって相手に支払いを強制していくことになります。
 そして、訴訟を提起して判決をもらうためには、「私と夫(妻)はこのような内容で約束・話合いをしました」ということを立証していく必要があります。
 もしあなたが離婚協議を書面(文書)に残さず、口約束で終わらせてしまっていた場合、この立証がかなり難しくなると思っておいた方がよいでしょう。
なぜならば、そのような書面が残っていない場合、あなたは「このような合意をした」と主張しても、相手が「そのような合意はしていない」と言い張った場合、裁判所としてはどちらの主張が正しいのか判断する材料がなく、あなたの主張する合意の存在と内容を認めてくれる可能性がかなり低くなってしまうからです。
 離婚協議の合意内容を協議書に残しておくことは、相手が約束を守らなかった場合に履行を強制するための大切な材料になるのです。
 

②相手の約束違反をただす材料がない

 たしかに、口約束で離婚協議を終わらせた場合であっても、相手がその約束を将来にわたってずっと守り続けてくれる可能性がないとは言えません。
 しかし、将来的に相手の置かれた事情が変わった場合(相手が経済的に苦しくなったり、再婚したりしたケース等)や、夫婦間に新たな利害対立が生じた場合には、相手が約束に違反して支払い等が滞るおそれがあります。
 このようなときに、離婚協議書を作っておけば、協議書の存在に言及しながら「離婚協議書を作って合意したのだから、一度交わした約束は守ってもらわなければ困る」という催促がしやすく、相手の約束違反をただす材料となります。
また、約束事を書面にしておくことにより、相手方の心の中で「相手と契約した書面があるから約束違反はしづらいな」という心理的な歯止めがかかることが期待できるため、そもそも相手が約束違反をしてトラブルを生じる確率をぐっと減少させることができるでしょう。
 

離婚協議書を作成するときのポイント

離婚協議書を作成するにあたっては、次の点を意識すると良いでしょう。
※具体的にどのような文言でどのような内容の協議書を作成するのが良いのかという点については、あなたの置かれた状況や求めることに応じて具体的に考える必要があるので、弁護士に作成を依頼するか、下記のポイントをもとに案を作って弁護士に相談しアドバイスを受けることをお勧めします。
 

①2人が合意して作ったということを確実に示す

 
 具体的には、夫婦双方の署名・押印を確実に行うということです。
署名押印の形式に「こうしなければ無効である」といった決まりはありません。
もっとも、あとから「自分はこんなものに署名押印していない」と言われないために、署名は自書してもらい、押印は実印でしてもらうと万全でしょう。
 

②合意した内容を一義的に明確にする

 具体的な条項を作るときも、「このように書かなければ無効である」といったような決まりは基本的にありません。
 もっとも、書いてある内容があいまいでどのようにも読めてしまうようでは、後から「これはこういう意味に読める」というように、相手が自分の有利な読み方を主張してきて、揉めるおそれがあります。
 そのため、条項を作る際には、「このようにしか読みようがない」という程度まで、一義的に明確な文章となるよう心掛けましょう。
 たとえば、お金の支払い義務を定める場合には、「誰が・誰に対し・いつ・いくらを・どのように支払うのか」ということを明確に記載することが重要です。
 また、よく、「○○太郎(甲)と○○花子(乙)は次のとおり合意する」というように、主語を甲・乙などと置き換える方法が採られますが、これも、条項の主語を明確にわかりやすく示すための工夫の一つといえるでしょう。
 
 

③合意書は同じものを2枚作って1通ずつ保管する

 
 作った合意書を相手に勝手に破棄されてしまわないように、合意書は同じものを2通作ってそれぞれが持ち帰りましょう。
 合意書の冒頭に「本合意書2通を作成し、甲、乙各1通保有することとする。」などの文章を添えれば、同じものを2通作成したことが後から読んでわかるので、このような文章を添えるのが通常です。
 

「離婚公正証書」を作成すればより確実に

自分たちで合意書を作る方法の他に、公証役場に行って「公正証書」を作成する方法もあります。公正証書を作成するには基本的に二人で公証役場に赴いて手続をする必要があるため、相手が合意に応じることに慎重になり、相手の譲歩を引き出しづらくなるなどのデメリットがありますが、それを乗り越えて作成に漕ぎ着けることができれば、離婚協議書よりも数段強力な合意書面を作成することができます。
公正証書を作成する方法を採るべきか否かについては、以下のメリット・デメリットを比較検討して考えるとよいでしょう。
 

①公正証書を作るメリット

ア 裁判を経ずに強制執行をすることができる
  公正証書を作成し、「強制執行受諾文言」(公正証書に記載された債務を履行しない場合にはただちに強制執行を受ける旨の意思表明を記載したもの)を記載しておけば、金銭債権(お金を支払うことを求める権利)については裁判を経ることなく、相手の財産(預金・給与や不動産など)に対する差し押さえなどの強制執行をすることができます(これを「執行力」があるといいます)。
イ 離婚給付の任意の履行を心理的に促す効果が期待できる
  上記のように、相手が離婚給付の履行を怠ったときに調停や裁判を経ることなく強制執行が可能となるため、自分たちで離婚協議書を作成する以上に、相手方から養育費や婚姻費用等の離婚給付をきっちりと支払ってもらえる確率が高くなるといえるでしょう。
ウ 離婚の際の合意の存在・内容を争われにくくなる
  公正証書は、公証役場という公的な機関で公証人に立ち会ってもらって 作成され、公証役場という公的機関で保管されるため、「そもそも離婚に際して合意や約束などしていない」「そのような内容の合意などしていない」といった言いがかりをつけられたり、合意書を変造されたりするのを防ぐことができます(つまり、合意したことの最も強力な証拠となります)。
 

②公正証書をつくるデメリット

 ア 相手が合意に応じる心理的ハードルが上がる
公正証書の作成は、当事者同士のやり取りで済む離婚協議書よりも作成に手間がかかり、効力も強力なものとなるので、相手方が公正証書にハンコを押す心理的ハードルもその分上がるといえます。
そのため、公正証書を作成することを相手に持ち掛けた場合、相手方が過度に条件について細かく慎重になったり、合意を取り付けるまでに時間がかかったりすることも予測されます。
当事者同士の離婚協議書であれば抵抗なく応じるはずだったものが、公正証書の作成を持ち掛けることによって相手に抵抗され、合意ができなくなってしまうこともありうるので、公正証書の作成を提案する際は、相手の姿勢や態度を見ながら慎重に検討することが必要でしょう。
 
イ 公証役場に足を運ぶ必要がある
公正証書は概ね以下の手順・手続きで作成されるので、作成にあたっては、夫(妻)と予定を合わせて、公証役場に少なくとも2回は足を運ぶ必要があります。
  ①最寄りの公証役場に電話をして予約を入れる
  ②夫婦の話し合いにより合意した離婚条件を紙に記載して持参・提出する
  ③後日公証役場から公正証書の案が提示される
  ④内容を確認し、修正があれば連絡して修正してもらう
  ⑤修正が完了次第、身分証・実印・印鑑証明を持参して公証役場に赴く
  ⑥内容の読み合わせを行い、公正証書に署名押印して完成
  なお、仕事の関係などにより、自身で公証役場に赴くことが難しい場合には、代理人に委任状を預けて作成を代理してもらうことも可能です。
 
 ウ 作成手数料がかかる
公正証書の作成手数料は、目的とする財産の価額に応じて、次のとおり定められています。
・100万円以下 5000円
・100万円を超え200万円以下 7000円
・200万円を超え500万円以下 11000円
・500万円を超え1000万円以下 17000円
・1000万円を超え3000万円以下 23000円
・3000万円を超え5000万円以下 29000円
・5000万円を超え1億円以下 43000円 
一点注意しておきたいのは、公正証書に複数の法律行為が記載される場合には、法律行為ごとに公証人手数料の金額を計算するということです。
たとえば、財産分与として500万、慰謝料として100万円、養育費として月々5万を5年(=300万円)と定めた場合には、合計900万だから手数料は1万7000円となる、というわけではないということです。この場合、財産分与につき1万1000円、慰謝料につき5000円、養育費につき1万1000円を合計した2万7000円が手数料の額となります。
詳しくは、日本公証人連合会のHP(http://www.koshonin.gr.jp/hi.html)に記載されているので、迷った時はこちらを参照してみてください。
 

まとめ

 いかがだったでしょうか。離婚協議はお互いの口約束でも成立させることができますが、その約束をできるだけ守らせるためには、法的に強制執行をかける場面をも見据えて、離婚協議書や公正証書を作成することが重要です。
 裁判で使える離婚協議書を作成するためには、あなたの置かれた状況に即した適切な内容・文言で協議書を作成することが必要不可欠といえます。法的観点からどのような内容・文言が適切かという点については、ご自身で作成した協議書を専門家である弁護士にチェックしてもらったり、弁護士に作成を依頼するのが、紛争予防のための近道といえるでしょう。
 
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