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離婚できる?できない?

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

病気

病気と離婚、慰謝料の関係は?

病気の配偶者と離婚したい、自分の病気を理由に離婚を求めたい、という場合、離婚は認められるのでしょうか。また、慰謝料とはどのように関係するのでしょうか。

離婚の慰謝料とは

 慰謝料とは、精神的・無形的な損害(精神的苦痛)に対する損害賠償金で、離婚の場合は、婚姻関係を破たんさせた原因を作った者(一方の配偶者や第三者)が、他方配偶者に対して支払う金銭等のことをいいます。
 例えば、夫が妻以外の女性と不貞をして夫婦関係を破たんさせた場合、夫と不倫相手の女性は、妻に対し、連帯して慰謝料の支払い義務を負うことになります。
 一般的に、離婚=男性が慰謝料を支払う、というイメージがあるようですが、上記のとおり、婚姻関係破たんの原因を作った者が支払うので、必ずしも男性が支払うわけではありません。また、婚姻関係破たんの原因が、夫婦双方の性格の不一致や生活のすれ違い、しゅうとと折り合いが悪いなど、夫婦の一方に原因があるとはいえない場合には、慰謝料は発生しません。
 慰謝料の金額は、不法行為(上記の例でいえば不貞)の期間や程度、行為態様、結果の重大性、婚姻期間(婚姻前に同棲が先行している場合には、その期間も含めた実質的婚姻年数)などによって決まります。相場というわけではありませんが、一般的な慰謝料の金額としては、100万円~300万円の範囲に収まることが多く(判決の場合)、私がこれまでに見た中で一番高額なのは400万円でした。

病気が原因で離婚できるか

 病気といっても、たくさんの種類がありますが、離婚の原因になりそうな病気というと、うつ病、躁鬱病、その他精神疾患でしょうか。
 当事者間で協議して、話し合いの結果離婚することはどのような場合でも可能ですが、どちらかが離婚を拒んだ場合は、家庭裁判所の調停を経た上で、最終的には裁判(訴訟)で離婚を認めてもらうしかありません。この裁判になった場合に、裁判所が離婚を認めるか否かは、民法が定める離婚事由があるかどうかによって決まります。

第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
①配偶者に不貞な行為があったとき。
②配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 このうち、病気に関係のありそうな条項としては、まず、4号の「強度の精神病にかかり、回復の見込みがない」が挙げられます。この場合の病気は、「強度の精神病」に限られ、しかも「回復の見込みがない」場合でなければならないので、軽度のうつ病や躁鬱病などは該当しません。
 そこで、5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に、病気であることが含まれるか問題となりますが、基本的には含まれません。むしろ夫婦には、互いに扶助しなければならない義務があるので(民法752条)、うつ病や躁鬱病、その他の疾患にかかったから、といって離婚することは認められないのです(夫婦の同居義務や扶助義務違反になります)。
 もっとも、単にうつ病や躁鬱病になったというだけではなく、それが原因でモラルハラスメントやDV、セックスレスなどが日常化しているというような状態にある場合には、5号により離婚が認められる可能性があります(ただし、この場合も、うつ病や躁鬱病が離婚原因となるのではなく、モラルハラスメントやDV、セックスレスが離婚原因となります。)。これに対し、夫がうつ病になって会社を休職や退職した結果、収入がなくなったという事情があっても、離婚の理由にはなりません。妻が働けるのであれば働き、預貯金を取り崩し、実家に援助を頼み、それでも生活費が足りないのであれば生活保護を受給するなどの方法もあるからです。

病気と離婚、慰謝料の関係を整理すると

(1) 配偶者の不貞やDVなどが原因でうつ病になった場合
 例えば、夫の不貞やDVが原因で、妻がうつ病になったとします。この場合、妻は離婚請求をすることができるでしょうか。
結論から申し上げると、妻は離婚請求をすることができますが、うつ病になったか否かは無関係です。つまり、不貞やDV自体が離婚原因(不貞については民法770条1項1号、DVについては同条項5号)ですので、あえて、不貞やDVの結果、うつ病になったということまでいう必要はないのです。
 では、うつ病と慰謝料の関係はどうでしょうか。不貞やDVがあれば、通常、精神的な苦痛は受けますし、その結果、婚姻関係が破綻しているのですから、慰謝料請求することはできます。もっとも、軽度のうつ病の範囲であれば、うつ病がなかった場合の慰謝料と比べて金額に大差はないと思われます。なぜなら、上記のとおり、不貞やDVがあれば、通常、精神的苦痛は受けますし、うつ病になった=とても強く精神的な苦痛を受けた、ということを示す一事情なので、軽度のうつ病であれば、通常の不貞やDVの結果による離婚の場合の慰謝料金額に織り込み済みといえるからです。重度のうつ病になったというような場合には、不法行為の期間や程度、行為態様なども考慮した上で、慰謝料が増額されるでしょう。
(2) うつ病の配偶者と離婚したい
 配偶者がうつ病になった場合、離婚請求することができるでしょうか。
まず、上記(1)の例で、不貞(浮気、不倫)やDV(身体的暴力だけではなく精神的暴力も含む)をした夫が離婚請求をしたというような場合、離婚請求は原則として認められません。なぜなら、家庭裁判所は、「有責配偶者からの離婚請求」という考えに基づいて、仮に婚姻関係が破綻していたとしても、破綻の原因を作った側からの離婚請求は認めないからです。
次に、不貞行為とかDVなどといった配偶者の行為はなく、別の原因によってうつ病になった場合、例えば、夫が、加重労働が原因でうつ病となったという場合、妻の離婚請求は認められません。これに対し、夫が単にうつ病になっただけではなく、それが原因で妻に対して暴言を吐き続けたり、セックスレスが長期化するなどの事情がある場合には、離婚請求が認められるでしょう。
 上記のとおり、うつ病それ自体を原因に離婚を求めることは難しいと思われます。ただし、暴言などがある場合には、離婚が認められると思われますが、慰謝料は、通常の場合と同様か、少し減額されると思われます。なぜなら、うつ病になったこと自体、本人には責任はありません(むしろ、先程の例でいえば、夫が仕事を一生懸命した結果うつ病になってしまったのであって、非難されるような理由はありません)ので、うつ病であることが減額要素になるからです。ただし、夫が治療をきちんと受けないなどといった事情があれば、減額の度合いは低くなるでしょう。
 ちなみに、配偶者のうつ病を理由に離婚を求めたが認められず、別居をしているというような場合、別居期間中は収入が多い方が少ない方に対して婚姻費用(生活費)を支払わなければなりませんので、もし、「生活費を払いたくない」ということが別居や離婚の理由だとしたら、思い通りにはなりませんので注意が必要です。
 また、仮に離婚が認められるとしても、夫婦の共有財産(名義がどちらになっているかは無関係)の清算(財産分与)をすることになりますが、うつ病で働けない配偶者に対し、清算的財産分与(夫婦の財産を半分ずつ分ける)を超えて、扶養的財産分与(離婚後、直ちに生活に困らないようにするための扶養的な意味での財産分与)が命じられることもあります。
(3) 自己の病気を理由に離婚を求めたい
 例えば、夫が過重労働の結果うつ病になってしまい、それが原因で妻に迷惑をかけていることを苦にして、妻に離婚を求めたとします。これは認められるでしょうか。
上記(2)で述べたとおり、うつ病になったこと自体、何ら夫に責任はありませんので、「有責配偶者からの離婚請求」にはなりません。しかし、単にうつ病というだけでは離婚原因にはなりませんので、離婚請求は認められません(もちろん、妻と協議して、離婚に応じれば別です)。
 また、上記のとおり、うつ病になったことについては、夫に責任はありませんので、仮に妻が話し合いの結果、離婚に同意して離婚となった場合でも、慰謝料は発生しません。

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