未来創造弁護士法人

離婚相談

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離婚とお金

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

離婚と税金、控除のお話

一般的に、離婚には財産分与や慰謝料が伴いますが、その際に何らかの税金が課税されるのでしょうか?また、離婚することによって何らかの税金の控除はあるのでしょうか?そんな、離婚に伴う税金の疑問にお答えします。

婚姻中に適用される各種税金の控除

 婚姻中(内縁関係は除きます)は、次の(1)~(7)の各種税金の控除が受けられます(控除を受けるには確定申告が必要な場合があります)。しかし、離婚によって、(6)を除いて控除を受けられなくなります((6)も、一定の条件を満たさないと受けられなくなるので注意が必要です)。(4)は、離婚後の状況の不要状況によっては控除を受けられる可能性があります。
(1)配偶者控除(所得税。所得税には、復興特別所得税も含みます)
 納税者の配偶者が、その年の12月31日の現況で、①民法上の配偶者、②納税者と生計を一にしている、③年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下。いわゆる、「103万円の壁」と言われるものです)、④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でない、という4つの要件全てを充たす場合は、38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者は48万円 )の所得控除が受けられます。
(2)配偶者特別控除(所得税)
 配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、①控除を受ける人のその年における合計所得金額が1000万円以下、配偶者が、②民法上の配偶者、③控除を受ける人と生計を一にしている、④その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でない、⑤他の人の扶養親族となっていない、⑥年間の合計所得金額が38万円超76万円未満、という6つの要件全てを充たす場合は、3万円~38万円の範囲で所得控除が受けられます。
(3)医療費控除、生命保険料控除(所得税)
配偶者の医療費と自己の医療費や生命保険料を合算し、所得税から控除することができます。
(4)扶養控除(所得税)
 納税者に所得税法上の控除対象扶養親族(その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、①配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人で、16歳以上ある、②納税者と生計を一にしている、③年間の合計所得金額が38万円以下である(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)、④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でない、という4つの要件を全て充たす場合は、扶養控除として、38万円~58万円の範囲で控除が受けられます。
 例えば、離婚後、元妻が子供の親権者となって子供を引き取って育てているが、元夫が養育費を支払っているような場合、元夫と子供が「生計を一にしている」として、扶養控除を受けられるか気になりますが、離婚に伴う養育費の支払が、①扶養義務の履行として、②「成人に達するまで」など一定の年齢に限って行われるものである場合には、その支払われている期間については、原則として「生計を一にしている」ものとして扶養控除の対象となります。つまり、「生計を一にする」=同居というわけではないということです。ただし、子供が、元夫の控除対象扶養親族にも元妻の控除対象扶養親族にも該当する場合には、どちらか一方だけしか扶養控除は認められません。
(5)なお、上記(1)~(4)の所得控除は、住民税にも存在します(ただし、控除額は異なります)。
(6)住宅借入金等特別控除(所得税)
 個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得または増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、平成31年6月30日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
この控除を受けるためには、個人が住宅を新築または建築後使用されたことのない住宅を取得した場合(ただし、贈与による取得、生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得は、この特別控除の適用はありません)で、
①新築または取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
②この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3000万円以下であること。
③新築または取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
④10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
⑤居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと。
という5つの要件全てを充たすときに適用されます。
 離婚後も、上記の要件を充たすのであれば、控除は受けられます。例えば、夫名義でローンを組んで購入した自宅に、離婚後も夫が住み続ける場合や、財産分与によって妻が取得したが、ローンを妻名義に変更したというように、納税者本人が居住者である場合には適用されます。なお、財産分与によって名義変更する場合は、離婚後にする必要があります。生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得には適用がないからです。
(7)夫婦の間で居住用の不動産等を贈与したときの配偶者控除(贈与税)
 夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで配偶者控除できるという制度(特例)です。
 この特例を受けるためには、①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと、②配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であることまたは居住用不動産を取得するための金銭であること、③贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること、という3つの要件全てを充たす場合は、最高で2110万円の控除が受けられます。

離婚の際に発生する税金①~婚姻費用・養育費~

(1)原則は非課税
 所得税については、所得税法で、「学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品」については、所得税を課さない(9条1項15号)と規定しているので、課税されません。
 また、贈与税についても、相続税法で、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については贈与税の課税価格に参入しない(21の3条1項2号)と規定しているので、課税されません。
(2)課税される場合もある
 名目は婚姻費用や養育費であったとしても、その額が過大であったり、将来分を含めて一括で受領し、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には課税されます。

離婚の際に発生する税金②~財産分与~

(1)原則は非課税
 個人から財産をもらうと、もらった側に贈与税が課税されますが、離婚の際に、財産分与として相手方から財産をもらっても、原則として贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。形式的には夫婦一方の単独名義になっている不動産を、財産分与に伴って共有名義にする場合も同様です(ただし、登記する場合には、財産分与を受けた側に、固定資産税評価額の2%の登録免許税が課税されます)。
 次の場合には例外的に課税対象となります。
①偽装離婚の場合
 離婚を偽装して、財産分与をしたことにして金銭の支払いをしている場合、これは損害賠償ではなく、贈与となります。
 この場合、財産分与名目で金銭を受領した人に贈与税が課税されます。なお、一定の条件の下、配偶者控除が受けられますので、その検討も必要です。
②財産分与の額が社会通念上高額な場合
 財産分与の額があまりにも高額で、社会通念上相当といえる財産分与の額を超える場合には、超えた部分の金額が贈与となります(そもそも、財産分与としての実態がないのであれば、全額が贈与となります。)。
 この場合、財産分与名目で金銭を受領した人に贈与税が課税されます。
上記①②でない限り、贈与税の心配をする必要はありませんが、不動産を財産分与する場合で、離婚の際には所有権移転登記はせず、離婚後、数年経ってから登記を行うようなときは注意が必要です(ローン支払中に名義変更すると契約上「期限の利益喪失」理由になるので、ローンの支払が終わってから名義変更するというような場合です)。離婚の時期と所有権移転登記の時期がずれているので、税務署から、財産分与ではないと指摘されることがあるからです。このような指摘をされないために、財産分与であることを公正証書などの書面にして明確にしておきましょう(当事者間で作成して取り交わす離婚協議書だと、「後から作ったのでは?」と言われかねないので、公正証書にしておくと良いですね)。
(2)不動産を財産分与する場合の注意点
 現金で財産分与をする場合や、夫婦共有名義の不動産を相当な割合に応じて分ける場合には問題ありませんが、夫婦の共有財産ではない不動産(特有財産)を財産分与として譲渡する場合や、夫婦の共有不動産(夫婦共有名義の場合だけでなく、分与者単独名義であっても、実質的には夫婦の共有財産である場合も含む)であっても、分与者の実質的な共有持分割合を超えて分与するような場合は贈与税の外にも課税が問題となります。
①贈与税・譲渡所得税
 もらった側に贈与税が課税されます。また、代物弁済とされ、これらの財産を時価で譲渡したものとみなされる(所得税法33条1項)ので、譲渡益がある((取得費+譲渡費用)<譲渡価額)場合、これらの財産を譲渡した人に、譲渡所得税が課税されます。
 ただし、(ア)「夫婦の間で居住用の不動産等を贈与したときの配偶者控除」(贈与税)または(イ)「マイホームを売ったときの特例」(譲渡所得税)、(ウ)長期保有の居住用不動産を譲渡した場合には、軽減税率の適用(譲渡所得税)を用いることにより、贈与税や譲渡所得税を抑えることができます。(ア)の方法によると、最高で2110万円の所得控除を受けることができますが、夫婦間の贈与に適用されるため、所有権移転登記は離婚届提出前にする必要があります。他方、(イ)(ウ)の方法によると、最高で3000万円の控除や軽減税率の適用を受けることができますが、親族間には適用されないため、所有権移転登記は離婚届提出後にする必要があります。
②不動産取得税
 この場合、不動産の譲渡を受けた側に固定資産税評価額の3%(ただし、土地の場合はその2分の1)の不動産取得税がかかります(ただし、建物については1200万円を固定資産税評価額から控除されます)。当然、取得後は固定資産税や都市計画税を納付しなければなりません。
③登録免許税
特録免許税は、不動産の登記をする際に、課税される税金です。財産分与の場合も、財産分与を受けた側に、固定資産税評価額の2%の登録免許税が課税されます。

離婚の際に発生する税金③~慰謝料~

(1)慰謝料は原則として非課税
 例えば、先程の夫が妻以外の女性と不貞をして夫婦関係を破たんさせた例で、夫と女性が妻に対し、現金で慰謝料を支払ったとすると、支払った夫・女性も受け取った妻も、原則として課税されません。損害の賠償(補償、埋め合わせ)をしているのであって、金銭を贈与しているわけではないので贈与税は発生しませんし、慰謝料は、「心身に加えられた損害~に起因して取得するもの」として所得税法上も非課税となっているのからです(所得税法9条1項17号、所得税法施行令30条1号)。なお、慰謝料という名目ではなく、示談金でも同様です。
(2)例外的に課税される場合
 上記のとおり、原則として非課税の慰謝料ですが、次の場合には例外的に課税対象となります(財産分与の場合と同様です)。
①偽装離婚の場合
 離婚を偽装して、慰謝料を支払ったことにして金銭の支払いをしている場合、これは損害賠償ではなく、贈与となります。
 この場合、慰謝料名目で金銭を受領した人に贈与税が課税されます。なお、一定の条件の下、配偶者控除が受けられますので、その検討も必要です。
②慰謝料の額が社会通念上高額な場合
 慰謝料の額があまりにも高額で、社会通念上相当といえる慰謝料の額を超える場合には、超えた部分の金額が贈与となります(そもそも、慰謝料としての実態がないのであれば、全額が贈与となります。)。
 この場合、慰謝料名目で金銭を受領した人に贈与税が課税されます。
③不動産などで支払った場合
 慰謝料として現金を支払うのではなく、自宅などの不動産や有価証券を譲渡する方法で慰謝料を払う場合(代物弁済)には、これらの財産を時価で譲渡したものとみなされます(所得税法33条1項)。
 この場合、譲渡益がある場合、これらの財産を譲渡した人に、譲渡所得税が課税されます。また、慰謝料として不動産を受け取った人には、不動産取得税が課税され、さらに、所有権移転登記の際には登録免許税が課税されることになります(当然、取得後は固定資産税や都市計画税を納付しなければなりません)。
 なお、慰謝料の支払いとして居住の用に供していた土地建物を譲渡する場合の所得税や譲渡所得税の控除・軽減税率の適用については、財産分与の場合と同様です。

離婚すると受けられる各種税金の控除

(1)寡婦控除・特定の寡婦控除
 原則としてその年の12月31日の現況で、①夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人または生計を一にする子(総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない子)がいる場合、または、②夫と死別した後婚姻をしていない人または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の場合、のいずれかに該当する人は、寡婦として27万円の所得控除を受けることができます。
 また、寡婦に該当する人のうち、①夫と死別しまたは離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない、②扶養親族である子がいる、③合計所得金額が500万円以下であるという3つの要件を全て満たすときは、特定の寡婦として35万円の所得控除を受けることができます。
 ちなみに、「合計所得金額」とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資株式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。
 寡婦控除・特定の寡婦控除を受けるためには、年末調整の際に、(特定の)寡婦になったことを申告して、寡婦控除・特定の寡婦控除の申請をする必要があります。具体的には、年末調整の際に会社に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の該当欄に必要事項を記入します(○をつけるだけです)。
(2)寡夫控除
 原則としてその年の12月31日の現況で、①合計所得金額が500万円以下、②妻と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていないことまたは妻の生死が明らかでない、③生計を一にする子(総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない子)がいるという3つの要件を全て満たすときは、寡夫として27万円の所得控除を受けることができます。
 寡夫控除を受けるためには、年末調整の際に、寡夫になったことを申告して、寡夫控除の申請をする必要があります。手続は、寡婦控除・特定の寡婦控除の申請と同様です。

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