不動産

不動産の譲渡、担保権設定、担保権実行、処分、購入などが円滑に進むようサポートします。

不動産の売買や賃貸借など、不動産取引にまつわるトラブルが後を絶ちません。
不動産取引については、宅建業法、建築基準法、都市計画法、借地借家法をはじめとする様々な法律による規制があり、取引業者には、これらについて十分な知識と履践が要求されます。
また、トラブルが予想される物件や、法律上制限のある物件を取引する場合には、これを前提として取引の価格を決定しなければなりません。
このページは、主に不動産業者の方を対象にして作成しましたが、これから不動産を取引しようとしている業者以外の方にも、参考にしていただけると思います。
 もっとも、全ての事項につき、網羅的に解説をすることは不可能ですので、できるだけ分かりやすく、概略的な説明を心がけました。詳細については、弁護士に相談してください。
なお、不動産の賃貸借については、土地および建物の賃貸借契約に関する各種規制については、「借地借家ページ」で解説していますので、併せてこちらもご参照下さい。

不動産売買

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物件調査

物件の事前調査が不十分な場合、取引が成立しない可能性が高いだ けでなく、取引が成立した後にトラブルとなる可能性があります。従って、取引前に十分な物件調査が必要です。具体的には(1)本人からの聞き取り調査(2)現地調査(3)公簿等による調査(4)法令上の制限に関する調査(5)生活関連施設調査を必ず行い、それぞれの調査結果に不整合な点がないかを確認する必要があります。

■ 本人からの聞き取り調査
依頼者が所有者本人か、代理人がいる場合、正当な代理権があるか、共有物件の場合、共有者全員の意見がまとまっているか、法人の場合、代表者に権限の制 限がないかなどをチェックします。また、物件に賃借人やその他の占有者がいないかをチェックし、これらがいる場合には明け渡しの見込み、確実性をチェック します。

■ 現地調査
現地調査では、境界を確認するほか、地形、地盤、日照、擁壁、隣地との高低差、上空架線の有無などをチェックします。特に、その土地が道路に十分接して いなければ、建築基準法上、建物を建築することができず、この点のトラブルが多く見受けられます。接道義務をクリアしているかのチェックは重要です。

■ 公簿等による調査
当該不動産を特定するためには、住宅地図で地番を調査した上、登記所(法務局)で公図を確認する必要があります。公図には建物は記載されていませんし、 建物は未登記の場合もありますから、役所で固定資産課税台帳を閲覧し、所在、地番、地目、所有者を照合します(所有者の委任状が必要です。)。
さらに、住民票や戸籍謄本をチェックすることにより、登記名義人と実際の所有者が同一か、相続があった場合の相続人が誰であるのかなどを確認することができます。また、当事者が法人である場合には、商業登記簿(資格証明書)を調査することも不可欠です。

■ 生活関連施設の調査
不動産を取得しても、水道やガス、電気や排水の施設がなければ、満足に生活することができません。配管が地中にある場合、実際に確認することはできませ んので、聞き取り調査が必要です。利用配管が誰の物か、他人の敷地を利用していないか、新たに配管工事に費用がどれぐらいかかるかなどは、あらかじめ調査 しなければなりません。

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不動産登記簿

登記は、不動産の権利関係を調査する第一歩です。ただし、登記は常に真実の権利関係が表示されているとは限らず、また、登記を信じて取引をした者全てを保護する仕組みにはなっていないので、注意が必要です。
不動産を取引するときには、必ず不動産登記を確認し、実際の所有者と登記上の所有者が合致しているか(合致していない場合、その理由は何か)、公簿面積 や地目と現況が合致しているか、所有権以外の権利関係(抵当権、地役権など)がある場合、取引前にその処理がなされるのかなどをチェックします。

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法令上の制限

土地の所有権を取得すれば、全く自由に使用できるというわけでは なく、都市計画法、建築基準法をはじめとする様々な法律により、規制を受けます。業者が法令上の制限を十分に調査せずに取引をすると、後日、間違いなくト ラブルが発生します。法令上の制限の有無は役所で調査することができますが、法令によって窓口が異なる場合があるので注意してください。

■ 市街化区域・市街化調整区域
法令上の制限の中でも最も重要なのが都市計画法です。
都市計画法が適用される「都市計画区域」は、日本の国土の4分の1の面積、人口比率では90%以上と言われています。
市街化区域では、原則として建物の建築ができますが、建築することができる建物の内容については、建築基準法等で規制されているので、注意が必要です。また、一定規模以上の宅地造成等の開発行為には、都道府県知事の許可が必要となります。
一方、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域であり、一般的には建物を建築することはできません。
また、取引対象の土地が、都市計画道路にかかっていたり、都市計画道路の近くに所在する場合には大きな影響が出ます。

■ 接道義務
建築基準法上、原則として土地が道路に2m以上接していなければ、建物を建てることができません。
そして、「道路」といえるためには、原則として幅員4m以上が必要で、道路法による道路(公道)、都市計画法等による道路、いわゆる既存道路、予定道路、位置指定道路がこれにあたります。
また、幅員4m未満でも、昭和25年11月22日以前から建物が建ち並んでいて、特定行政庁が指定した道は道路となります(いわゆる「2項道路」)。なお、2項道路に接した土地に新たに建物を建てる場合には、セットバックが必要となります。

■ 用途制限
都市計画区域内の土地は、用途地域ごとに建てることにできる建物の用途に制限があります。例えば、第1種低層住宅専用地域では、住宅や小中学校などは建てられますが、病院やホテル、中規模以上の店舗や工場を建てることはできません。

■ 形態制限(建ぺい率・容積率)
建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合であり、敷地内に一定の空地を確保するための規制です。角敷地や対価建築物の場合、建ぺい率が緩和される場合があります。
容積率とは、建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合です。容積率は建築基準法等で定められていますが、高層住居誘導地区や、道路幅員が一定要件を満 たす場合には、緩和措置があります。また、住宅の地下室は住宅の床面積の合計の3分の1を限度として、共同住宅の共用廊下や階段はその全てを容積率に不参 入とすることができます。

■ その他の規制
その他にも、外壁の後退距離、敷地面積の最低限度、高さ制限、日陰規制、防火規制など、様々な規制があります。特に、斜線制限は、道路斜線、隣地斜線、北側斜線と3方向から規制されるので注意が必要です。

■ 建築確認申請
建築主は、建物を建築しようとする場合、工事着手前に、その建築計画が建築基準法に適合するか否か建築主事または指定確認検査機関の確認を受けなければなりません。また、工事が完了した場合、完了検査を受け、検査済証の交付を受けます。
さらに、これとは別に、建物を建てる場合には建築工事届、建物を解体する場合には建物除却届を都道府県知事に提出しなければなりません。

■ 農地
農地は自由に売買することが許されず、農地を「農地以外」に転用する場合には、原則として都道府県知事等の許可が必要です。ただし、市街化区域内の農地転用のための売買については、許可ではなく、農業委員会への届出をすればよいことになっています。

■ 宅地造成工事規制
大都市周辺の傾斜地を中心とした地区は、宅地造成工事規制区域とされ、この区域で切土や盛土など宅地造成をする場合には、一定の技術基準に従う工事が必要で、都道府県知事の許可を取る必要があります。

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価格査定

■ 価格査定の必要性
不動産は、1つとして全く同じ物が存在しない上、売主と買主の需要と供給のバランスによって大きく価格が変動するため、客観的な価格の基準がはっきりし ません。一般論として、依頼者が「この値段で不動産を売却したい」という売希望価格に対して、業者は、3か月以内に売却できる価格を目安として査定価格 (助言価格)を提示し、依頼者と業者が相談して実際の売出価格(媒介価格)を決定します。その上で、実際に売買契約が成立した場合、その契約価格を「成約 価格」といいます。
業者としては、実際に制約する可能性がない価格で売出をすると依頼者に迷惑をかけますから、不動産の価格査定業務が重要となるのです。ここでは、公的価格について説明した上で、業者が利用する価格査定マニュアルを概説します。

■ 公的価格:一物四価制度

種 類実施主体実施目的実施時期
公示価格国土交通省(土地鑑定委員会)一般の土地取引価格の指標とする毎年1月1日現在の価格調査を行い、3月下旬公表する
基準価格都道府県知事同上毎年7月1日現在の価格調査を行い、9月末頃公表する
路線価各税務署相続税、贈与税の課税価格とする毎年年初に評価替えを行い、8月上旬公表する
固定資産税評価額市町村固定資産税、登録免許税、不動産取得税等の課税標準とする3年ごとに、総務大臣の告示した固定資産評価基準によって1月1日現在の価格評価を行う

 

公示価格というのは、昭和44年に、公的に標準値の適正な価格を公示することにより、一般の土地取引当事者に対し、価格の指標を提供し、合理的な地価の形成を誘導しようとした制度です。
公示価格は、全ての土地について公表されるのではなく、標準地のみ発表されますから、取引対象の土地の路線価を、公示地価と路線価の比率によって割り戻すことにより、取引対象土地の価格の目安を出すことができます。

■ 価格査定マニュアル
昭和55年に宅建業法が改正され、媒介契約制度が施行されるとともに、宅建業者が媒介契約を結ぶ際には、媒介価格の根拠を明示しなければならないこととなったため、財団法人不動産流通近代化センターが価格査定マニュアルを策定しました。
一般に不動産の価格を判定する方法としては、(1)類似不動産と比較する「比較方式」、(2)対象不動産と同等の物を造るにはいくらかかるかを基準とし、経過年 数による減価修正を行う「原価方式」、(3)不動産の賃貸収入による運用利回りに着目する「収益方式」の3方式が考えらます。
価格査定マニュアルには「土地価格査定マニュアル」「中古マンション価格査定マニュアル」「木造戸建住宅査定マニュアル」の3種類がありますが、前二者は比較方式、後者は比較方式と原価方式を採用しています。

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媒介契約

■ 媒介契約の種類
媒介契約には3つの種類があります。
(1)専属専任媒介契約
特定の不動産業者1社だけに仲介を依頼する契約形態です。
複数の業者に重ねて依頼をすることや、自ら購入希望者を探したり、売買契約を結ぶことはできません。 他の業者や自ら見つけた購入希望者と売買契約を結ぶ場合には、依頼した業者に対して仲介手数料相当の違約金を支払うことになります。
依頼を受けた不動産業者は、媒介契約後5営業日以内に指定流通機構に物件を登録し、1週間に1度以上、売却活動の進捗状況を依頼者に文書で報告することが義務づけられます。
(2)専属媒介契約
仲介を依頼できるのは1社のみですが、自分で購入希望者を探すこともできる契約形態です。
依頼した業者に対して、他の業者と売買契約を結ぶ場合には違約金を、自ら発見した相手と売買契約を結ぶ場合には媒介契約の履行に要した費用を支払うことになります。
依頼を受けた不動産業者は、媒介契約後7営業日以内に指定流通機構に物件を登録し、2週間に1度以上、売却活動の進捗状況を依頼者に文書で報告することが義務づけられます。
(3)一般媒介契約
複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができる契約形態です。
依頼者が他のどの業者と媒介契約を結んでいるのかを明らかにする「明示型」と、明らかにしない「非明示型」があります。
売買契約が成立した場合には、依頼した業者にその旨をすみやかに通知する必要があります。
依頼を受けた不動産業者は、売却活動の進捗状況等を依頼者に報告をする義務を負いません。

■ 媒介契約の注意点
媒介契約の期間は3か月を超えることができず、更新する場合にも、更新後の有効期間は3か月を超えることができません。トラブルを避けるため、更新の申出は文書で確認することが望まれます。
業者が受け取る報酬金額の上限は、売買金額が400万円以上である場合、3%+18万円であり、売買契約時に半分、決済時に半分が支払われるのが一般的です。また、ローン特約付の売買契約で、ローン不成立の場合は、媒介契約の報酬を返還しなければなりません。

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取引業務に関する規制

不動産業者は、宅建業法等の法令を遵守することはもとより、国土交通大臣の解釈・運用基準である「業法の解釈・運用の考え方」についても精通する必要があります。
取引業者が法令に違反すれば、監督処分を受け、行政罰を受けることもありますし、民事上の損害賠償義務を負うことがありますので、十分注意してください。

■ 契約締結まで
広告に関しての規制があります。後で詳述します。

■ 未完成物件に関する規制
最近、マンションなどは、物件が完成する前に販売を開始することが多いのが実情です。豪奢は、工事完了前においては、開発行為の許可、建築確認等があった後でなければ、契約を締結したり、媒介をすることができません。

■ 他人物売買の制限
民法上、他人の所有物を売買の目的とする契約は有効ですが、宅建業法では原則として禁止されています。

■ クーリング・オフ制度
取引業者が自ら売主となる売買契約について、取引業者の事務所等以外の場所において買い受けの申し込み、売買契約を締結した場合は、8日間は買い受けの撤回、契約の解除をすることができます。

■ 損害賠償額の予定の制限
当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償額を予定し、あるいは違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の10分の2を超えることはできません。

■ 手付の制限
取引業者が、自ら売主となる売買契約では、手付金額が代金の額の10分の2を超えることができません。また、取引業者が手付を受領したときは、その手付けの性質にかかわらず、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還することにより、契約を解除することができます。

■ 瑕疵担保責任についての特約の制限
取引業者が、自ら不動産の売主となる場合、原則として、瑕疵担保責任を排除するなど、民法に定める瑕疵担保責任よりも、買主に不利となる特約を結ぶことはできません。

■ 手付金等の保全
取引業者が、自ら不動産の売主となる場合で、以下の条件を満たす場合には、手付金等保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受け取ることができません。

 措置を講じなければならない場合講じるべき措置
工事完了前の売買手付金等の額が売買代金の5%または1000万円を超えるとき(1)銀行、指定保証機関等による保証
(2)保険事業者による保証保険
工事完了後の売買手付金等の額が売買代金の10%または1000万円を超えるとき(1)銀行、指定保証機関による保証
(2)保険事業者による保証保険
(3)指定保険機関による保管

■ その他
その他にも、取引業者やその従業員は、過剰なセールストークで誤解を与えたり、契約を急かせたり、威圧、困惑させたりすることは禁止されています。

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重要事項説明

不動産の購入者は、一般的には不動産に関する法令上の制限や登記 上の権利関係を自分で調査する能力を有しておらず、知識も不十分であることから、業者に対し、契約成立までの間に、購入者に対して取引物件の重要な事項に ついて説明する義務が課せられています。この重要事項説明は、取引主任者が行わなければなりません。
媒介にあたって複数の業者が介在している場合には、その全ての業者が取引主任者に説明させる義務を連帯して負います。また、重要事項説明は、業者間の取引であっても行う義務があります。
重要事項説明を行うにあたっては、必ず書面を作成することが要求されています。問題となりそうなことはあらかじめ説明しておかないと、後々より大きなトラブルになります。
重要事項として最低限説明しなければならない項目は、宅建業法35条2項に規定されています。物件に存する権利の種類や公法上の制限、私道負担、給水設備、金銭の授受や契約解除、手付金保全措置などがこれにあたります。

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売買契約書作成

登記は、不動産の権利関係を調査する第一歩です。ただし、登記は常に真実の権利関係が表示されているとは限らず、また、登記を信じて取引をした者全てを保護する仕組みにはなっていないので、注意が必要です。
不動産を取引するときには、必ず不動産登記を確認し、実際の所有者と登記上の所有者が合致しているか(合致していない場合、その理由は何か)、公簿面積 や地目と現況が合致しているか、所有権以外の権利関係(抵当権、地役権など)がある場合、取引前にその処理がなされるのかなどをチェックします。

■ 目的物件の表示
売買の対象となる範囲を特定し、当事者間の紛争を防止する必要があります。
土地の場合、登記簿の表題部の表示(所在、地番、地目、地積)で特定するのが通常ですが、現況が登記簿の表示と異なる場合には、現況と実測面積も併せて明記します。また、目的物が1筆の土地の一部で、分筆がされていない場合には、測量図を添付します。
建物の場合、当該建物が登記されていれば、やはり登記簿の表題部(所在、家屋番号、種類、構造、床面積)の表示で特定しますが、未登記の場合や、登記簿と現況が異なる場合には、建築確認通知書や固定資産評価証明書などを参考にして現況を表示します。

■ 売買対象面積
土地の売買の場合、代金額の決定方法には、(1)契約時にすでに実測面積が確定し、この実測面積により売買する、(2)登記簿面積(公簿面積)を売買対象面積と する、(3)契約時は公簿面積を基準とするが、所有権移転日までに測量を行い、その実測面積により代金を精算するという3つの方法が考えられます。なお、測量 費用は、売主が負担するのが一般的です。

■ 代金の支払時期、方法
代金の支払は、引渡しや所有権移転登記申請手続と同時履行(引き替え)が原則です。ただし、実務上は、契約時にまず手付金を代金の一部として支払い、ついで代金の一部を中間金として支払い、所有権移転登記申請手続、引渡しと引き替えに残代金を支払う形態が多いようです。
支払方法は、確実な取引という観点から、現金または預金小切手で行うことが多いようですが、銀行振り込みによる場合もあります。

■ 手付金
手付金は、通常、契約の相手方が契約の履行に着手するまでの間、解除権を留保し、手付放棄、倍返しで解除できるという「解約手付」の趣旨で授受されま す。手付額は、一般的には、違約金と同額にしてるケースが多くなっています。手付額があまりも低いと、簡単に解除ができてしまい、契約の拘束力が弱まって しまうからです。
なお、「申込証拠金」や「予約金」として契約以前に授受される金銭は、買主の順位確保や購入意思の確認を目的とするもので、手付金とは異なります。

■ ローン特約条項
不動産は高額なため、買主は金融機関からの融資を利用して代金を支払うのが一般的です。しかし、売買契約締結後、予定していた融資の承認が得られなかった場合、買主が契約違反の責任を負わなければならないとすると、なかなか安心して不動産を購入することができません。
そのため、買主が利用する融資の承認が得られなかったときの措置として、売買契約を解除することができる規定や当然に解除となる規定を設けるのが一般的です。
もっとも、売主からすれば、この条項をつけることにより、不安定な立場に立たされることになるのですから、融資承認が得られない場合の確定期限を定てお くと良いでしょう。また、買主が購入意欲を失った際にこの条項を濫用されるというおそれがあるので、買主に融資の承認が得られるよう積極的に努力する義務 を負わせることも重要です。

■ 所有権の移転、引渡の時期
民法上、所有権は契約時に買主に移転されるとされていますが、契約書では、売買代金の全額を支払ったときに所有権が移転する旨特約をするのが一般的です。
引渡は、建物の場合、鍵を渡すことにより行われますが、土地の場合は、観念的な引渡しにならざるを得ません。そこで、引渡確認書などの書面を作成し、引渡しを明確にしておくと良いでしょう。

■ 危険負担、瑕疵担保責任の特約
民法上、不動産の売買に関する危険負担は買主が負うことになっています。すなわち、契約してから引渡を受けるまでの間に当事者双方の落ち度によらず目的物が滅失、毀損した場合、買主は約束通り代金を払わなければならないのです。
しかし、それでは不公平なので、通常は、「損失は、売主が負担する」とした上で、「買主が契約締結の目的を達することができない場合、契約を解除することができる」という特約をつけるのが一般的となっています。
瑕疵担保責任は、民法上、買主が瑕疵を発見してから1年間行使することができますが、特約により、瑕疵を発見してからではなく「引渡から」という期間制 限を入れることがあります。しかし、業者が売主の場合、この期間を2年以上としなければなりません。なお、品確法の適用を受ける新築住宅については、引渡 から10年間、瑕疵担保責任を負うことになります。

■ 抵当権の抹消に関する条項
一般的に、売買契約書には、売買の目的物の所有権の行使を阻害する一切の負担を除去・抹消し、瑕疵なき権利を買主へ移転すべき旨を定めます。これは、民法の原則を確認する規定にすぎません。
なお、実務上は、売買契約後、決済前に目的物に負担、制限がつく可能性があるので、売買契約締結前だけでなく、決済直前にも、目的物に新たな負担がないかを確認する必要があります。
また、オーバーローン物件に後順位担保権者がいるような場合には、各抵当権者に、いつ、いくらを支払うことによって、抵当権の抹消に応じるのか、書面で確認を取り付けるようにします。

■ 公租公課の分担
固定資産税、都市計画税は、1月1日付の所有名義人が納税義務者となるので、日割り計算により、買主が売主に清算金を支払います。
マンションにおいては、このほかに、管理費や修繕積立金の精算も必要です。これらが滞納されている場合、買主が予想外の負担を負うことになりかねませんので、注意して下さい。

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不動産広告

不動産業界は、「不動産の表示に関する公正競争規約」を自主的に 定めています。虚偽・誇大など不当な広告が増えると、業者や業界の信用が損なわれ、販売の効率も悪化することから、この自主ルールを定め、さらに、公正取引委員会の認定を受けることにより、規約に則った不動産広告は、独占禁止法違反に問われないこととなっています。
規約に違反する広告主に対しては、不動産公正取引協議会等が調査を行い、違約金の制裁を科すことができます。
規約の内容を、ここで全て紹介することはできませんが、概ね(1)未完成物件の広告開始時期の制限、(2)必ず表示しなければならない事項、(3)利用制限等につい ての表示義務、(4)二重価格など特定事項の表示の禁止、(5)誰が広告をしても同じ記載となるようにするための表示基準、(6)誇大広告など不当表示の禁止などが規 定されています。

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不動産取引の税務

不動産は、取得したとき、保有しているとき、売却したときなどに、税金がかかります。
その概略をあげると、(1)取得時には、契約書の印紙税、不動産取得税、登記の際の登録免許税、贈与を受けたときの贈与税など、(2)保有時には、固定資産税や都市計画税、(3)売却時には、譲渡所得税、住民税などがこれにあたります。
それぞれの税金には税額軽減の特例がある場合がありますので、必ず税理士に相談、確認をするようにして下さい。

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不動産賃貸借

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不動産賃貸借の基礎知識

「借地借家ページ」をご参照下さい。

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賃貸借媒介等の業務

■ 媒介依頼の受託
賃貸物件を所有する貸主から、賃貸借の媒介依頼を受けた場合、賃貸の依頼理由、物件の内容、賃貸条件の希望を十分の調査した上で、媒介契約を締結し、書面を作成します。

■ 物件の紹介・入居者の審査
貸主との媒介契約後は、物件の紹介図面を作成し、広告を出します。入居希望者が来店した場合は、希望物件申込カードの記入などを参考に、賃料を支払える か、近隣の入居者と円満に生活をすることができるかについて判断します。問題がない場合には、物件情報の説明を行い、現地を案内することにより、後日のト ラブルを防止します。
最終的な入居意思が確認できた場合には、入居申込書を取り付け、入居希望者の氏名、生年月日、家族関係、勤務先、その他の事情を確認します。また、連帯保証人を求めるのことが多いのが実情です。

■ 重要事項説明
宅建業法35条には、重要事項説明で説明しなければならない事項が列挙されていますが、これは「少なくとも説明しなければならない」最低限の事項であって、後のトラブルを防止するためにはそれ以外にも説明しておくべきことがいくつもあります。
例えば、(1)床面積の計算方法(壁心計算か、内壁計算か、外壁計算か)、(2)期間内解約の特約、(3)契約期間および更新に関する事項、(4)ペットの飼育や楽器演奏の可否など、利用の制限に関する事項、(5)敷金の精算に関する事項などがこれにあたります。

■ 賃貸借契約の締結
契約の締結にあたっては、後日の紛争を防止するために、あらかじめ特別の禁止事項や承諾事項について、契約書に明記しておくことが重要です。
禁止事項とは、例えば、(1)無断で同居人をおくこと、(2)危険物を持ち込むこと、(3)動物を飼うこと、(4)住居以外の目的に使用することなどです。
承諾事項とは、例えば、(1)2か月以上の家賃の滞納があった場合、契約を解除できること、(2)畳、床、壁、浴室、トイレ等の修繕・維持費は、賃借人の負担とすることなどが典型例です。

■ 物件の引渡と媒介報酬
契約にかかる金銭の授受があれば、貸主から借主に鍵を渡すことにより、引渡がなされます。
このようにして、貸主と借主の間で賃貸借契約が成立した場合には、業者は報酬を請求することができます。業者が双方当事者から請求できる報酬額の合計の上限は、原則として、賃料の1か月分相当額です。

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契約管理業務

■ 賃料等の徴収業務
賃料等の徴収業務にあたっては、業者として、滞納者が出ないための徴収管理業務のシステムを確立しておくことが重要です。
賃料の徴収方法としては、(1)借主から貸主への直接振り込み、(2)借主から管理業者への振り込み、(3)口座からの自動振替による入金、(4)持参払いなどが考えられます。どの方法にも長所、短所がありますが、借主が払いやすい方法をとることがポイントです。
滞納者が出た場合には、速やかに督促を行い、それでも支払わない場合には契約の解除をします。そして、借主が任意に明け渡しをしてくれればいいのですが、居座る場合には明け渡しや賃料請求の裁判をする必要があります。

■ クレーム処理
賃貸マンションなどでは、騒音、ペットの飼育、ゴミの出し方、無断・違法駐車などのクレームが多いようです。本来であれば居住者相互間の問題なのですが、管理会社に持ち込まれることが多いようです。
契約時にルールを説明し、日頃からルールを周知徹底させるとともに、定期的に物件を巡回し、マナーの悪い入居者に対しては、毅然とした態度で警告などの措置をとるべきです。

■ 契約更新業務
契約更新時には、貸主、借主双方に、更新の意思を確認する必要があります。
また、業者は、近傍家賃などを参考に、物件の適正賃料を把握しておくとともに、賃料を増額する場合には、借主に理由を十分説明しなければなりません。
更新料は、当初の契約時に約定しなければ、法律上は認められません。

■ 解約業務
借主から解約予告があった場合、すぐに新しい入居者を見つけてただちに賃貸借契約を締結するケースが見受けられますが、現在の借主が申し出通りに明け渡 しをしない場合にはトラブルになりますので、借主に対しては、明け渡しを遅延した場合のペナルティーを、新たな入居者に対しては、現借主が退去しない場合 の清算に関する特約を取り決めておくと良いでしょう。
解約時に最も多いトラブルは、原状回復にかかる費用を、どこまで借主に負担させるかという問題でしょう。国土交通省(旧建設省)が定めたガイドラインに よれば、建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)、賃借人の通常の使用により生ずる損耗等は賃借人に負担させず、賃借人の故意、過失、その他、通 常の使用を超えるような使用による損耗についてのみ、賃借人の負担とするとされています。
原状回復費用を賃借人に負担させる場合には、敷金からその金額を控除し、残額を明け渡し後に借主に支払うのが通常です。

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物的管理業務

■ 清掃業務
建物、屋外の清掃や、除草、植栽などがこれに当たります。

■ 建物の維持管理
建物全体の保全と補修、設備、備品の点検、共同使用部分の管理がこれにあたります。
一般的に、鉄部の塗装は3~5年周期、建物の外壁塗装は8~10年周期で行うことが必要とされ、そのたび多額の費用がかかるので、向こう10年ぐらいを見据えて修繕計画を立てておくことが必要です。

■ エレベーター
エレベーターの維持管理については、建築基準法に規定があります。エレベーターの保守管理は一般的にはメーカーと契約することになります。法律上、1年に1回以上の定期検査が必要です。

■ その他
その他にも、給排水設備、浄化槽、防火設備、電気設備等について、法律により定期的な検査や管理が義務づけられています。通常は、共益費ないし管理費として、借主からその費用を徴収することになります。

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