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離婚できる?できない?

ここでは、離婚について、知っておいた方が良い知識や事例などを解説しています。
事前に知識を知ることでトラブルを最小限に抑え、かつ迅速な解決を図ることが出来ます。

性格の不一致

性格の不一致を理由に離婚するには

性格の不一致を理由に離婚するには何に気をつけるべきでしょうか。司法統計や裁判例などを踏まえて解説します。

性格の不一致を理由に離婚できるの?

性格の不一致を理由に離婚できるかどうかは、離婚の方法によって違いがあります。

離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つがあります。

このうち、夫婦で話し合い離婚届を書いて役所に届け出る「協議離婚」と、裁判所の調停委員を介して話し合う「調停離婚」の場合は、いずれも配偶者同士の合意により離婚が成立します。ですから、相手が離婚に応じてくれさえすれば性格の不一致を理由に離婚できます。逆に、相手が離婚に応じなければ離婚はできません。

一方、裁判所の訴訟手続を利用する「裁判離婚」の場合は、法律で定められた離婚理由がなければ離婚できません。法律で定められた離婚理由は、①不貞、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④精神病で回復の見込みがない、⑤婚姻を継続し難い重大な事由がある、の5つに限られています。

「性格の不一致」はそれ自体では離婚理由とされていません。ですから、単に「性格の不一致」があることだけを裁判で主張しても裁判離婚はできないのです。

性格の不一致を理由に裁判離婚したい場合は、性格の不一致によって婚姻関係が破綻してしまい、⑤婚姻を継続し難い重大な事由があることを裁判所に認めてもらう必要があります。

離婚理由の第1位は性格の不一致

司法統計によると、裁判所に申し立てられた離婚事件のうち、離婚理由の第1位は男性も女性も性格の不一致です。

平成26年の司法統計では、夫が申立人の事件の6割以上、妻が申立人の事件の4割以上で、性格の不一致が離婚の理由に挙げられています。割合に差があるのは、妻が申立人の事件の場合、夫からの暴力や夫が生活費を渡さないことを理由とするケースも多いためだと考えられます。

実際に、弁護士として相談を受けてきた経験からしても、相談者から「性格の不一致で我慢の限界です!」というお話を聞くケースは非常に多くあります。

性格の不一致の裁判例

性格の不一致について言及した裁判例としては、「婚姻生活の破綻原因の最大のものは夫婦の生活観、人生観上の隔絶(いわゆる性格の不一致)であったとしかいうよりほかはない」とした東京高判昭和54年6月21日判時937号39頁があります。

もっとも、この裁判例も、単に性格の不一致があることだけから離婚請求を認めたわけではありません。婚姻関係が正常なものに回復することを期待することが困難な程形骸化し、完全に破綻していることから、前記の法律上の離婚原因⑤「婚姻を継続し難い重大な事由」があることを理由に離婚請求を認容したものです。

「性格の不一致」って何?

ところで、そもそも「性格の不一致」とは何か、あなたは説明できますか?いざ考えてみるとなかなか説明しにくいのではないでしょうか。

価値観、生活観、人生観の違いやズレとも言えますが、その内容や程度も様々です。実は、性格の不一致ほど曖昧なものはないのです。

結婚して一緒に生活するようになった夫婦であっても、別々の人間なのですから、性格が完全に一致することはあり得ません。ですから、性格の不一致は、実は結婚当初から存在していたのです。しかし、夫婦関係が円満なときはお互いに気付かない程度の些細な違いなのでしょう。あるいは、自分と違う性格だからこそ相手に魅力を感じて結婚した、という方もいるかもしれません。

いずれにせよ、夫婦関係が円満なうちは、「自分と相手は違う性格をもった別の人間同士なのだから、多少の不満やすれ違いはあって当たり前」くらいの気持ちで、お互いに我慢をしたり、相手に合わせる努力をして、家庭内の信頼関係を保つことができています。

ところが、浮気・不倫・男女関係の問題やDV、モラハラ(モラルハラスメント)など、夫婦関係を破綻させてしまう典型的な出来事があると、これをきっかけに相手への信頼が崩れ、相手の価値観や考え方も受け入れられなくなり、性格の不一致が表面化することが多いのです。

また、浮気などの典型的な出来事が無くても、子供がほしいかどうか、子育ての方針、家事育児の分担、仕事、お金(金銭感覚や夫婦どちらが家計管理するか)、性生活(セックスレス)、実家や親族関係との付き合い方など、日常生活のちょっとした場面で、程度の差こそあれ、すべての夫婦に何らかの意見の食い違いが生まれます。

そして、ちょっとしたきっかけで夫婦関係に不満やすれ違いが生じたときには、この些細な違いが気になり、あれも違う、これも違う、というように多くの性格の不一致に気付いてしまうのです。

その意味では性格の不一致は、曖昧な反面、様々な離婚理由を包含するものといえます。離婚理由の第1位が性格の不一致であるのも、このような理由によると考えられます。

性格の不一致を理由に離婚したい場合に集めるべき証拠

性格の不一致を理由に離婚したい場合、相手が協議離婚や調停離婚に応じてくれればよいのですが、そうでない場合には裁判離婚をすることになります。

裁判離婚では、離婚を請求する側が、法律上の離婚理由である「婚姻を継続し難い重大な事由」があることを証拠によって証明しなければなりません。

ですから、裁判離婚に至る場合を見据えて、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると裁判所に評価してもらえるような証拠をあらかじめ集めておくのが有効です。

心は目に見えませんから、性格の不一致そのものを証明することは困難です。そこで、性格の不一致によって目に見える行動や結婚生活、夫婦生活がどう変わってしまったのかがポイントになります。

典型例は別居です。別居期間が長くなるほど、婚姻関係が破綻したと認定される可能性が高まります。なお、性格の不一致を理由に離婚したいのであれば、家庭内別居でなく、住居を異にして外観上明らかな別居をすべきです。

別居したことを証明するための証拠としては、
・別居するために借りたアパートの賃貸借契約書
・別居後の住民票
などがあります。

 そのほかにも、性格の不一致を理由に、夫婦喧嘩が増えるなど夫婦関係が悪化したことを証明するための証拠としては、
・夫婦喧嘩の状況を記録した日記、メモ書き、録音
・暴力を振るわれ怪我をしたことを記録した診断書
・夫婦関係の悩みを相談していた親族や友人の証言、陳述書
などがあります。

これらの証拠は裁判離婚で使うためのものです。ですが、あらかじめ証拠が集まれば集まるほど、相手は「裁判で争っても離婚が認められてしまうかもしれない。そうであれば争うのは諦めよう」と考えるようになり、協議離婚や調停離婚に応じる可能性が高まります。離婚裁判を見据えて証拠を集めておくと、結果的に離婚成立までの時間と労力を抑えることができるのです。

性格の不一致を理由に離婚する場合、慰謝料請求、財産分与、親権、養育費はどうなる?

慰謝料とは、相手が原因で精神的苦痛を被ったときに、精神的損害を慰謝するための損害賠償をいいます。性格の不一致は、性格が一致していないという状態を指しているのであって、夫婦どちらに責任があるかとは別問題です。

実際、性格の不一致は夫婦双方に何らかの原因があると考えられる場合が多いでしょう。ですから、単に性格の不一致があるというだけでは慰謝料はもらえません。

もっとも、性格の不一致が表面化する直接の原因として、浮気やDVなど夫婦どちらか一方に原因がある場合には、その被害者は加害者に対して慰謝料を請求することができます。

財産分与とは、夫婦が婚姻中に共同して築き上げた財産を離婚時に分け合う制度です。財産分与は離婚理由を問いませんので、性格の不一致を理由とする離婚であっても分与されるべき財産があれば請求することができます。

親権とは、未成熟の子どもに対する身上監護権と財産管理権です。婚姻中は父母が共同親権をもちますが、離婚時には父母のどちらかを親権者に指定しなければなりません。親権者を父母どちらにするか判断する際には、性格の不一致があることが一方に有利あるいは不利ということはありません。父あるいは母それぞれの性格が子の福祉に適うかを個別に検討することになるでしょう。

養育費とは、親権者ではない親が親権者に対して未成熟の子どもを養育するために支払う費用です。養育費は、子供の人数・年齢と父母の収入によって大まかな金額が決まりますので、離婚理由が性格の不一致であっても金額への影響はありません。

 

いかがでしたでしょうか。性格の不一致を理由に離婚するときに気をつけておくべきポイントをご説明しました。
性格の不一致は曖昧で漠然としていますから、性格の不一致を理由に離婚を考えていたけれど、実は背景には浮気やDVなど別の事情があり、そちらを主張したほうが離婚しやすいという場合もあり得ます。また、性格の不一致によって「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められるかどうかは程度問題ですから、見通しを立てるのが難しい問題といえます。
性格の不一致を理由に離婚したいと考えいている方は、弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。

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